【認知症を学ぶ】認知症と診断されたら最初にすべきこと

いま認知症は「誰がなってもおかしくない身近な病気」だと考えられています。過去の研究では、2018年時点で高齢者の約7人に1人が認知症を発症しており、2025年には5人に1人にまで増加すると予測されています。万が一、認知症と診断されたら、すぐにしておくべきことをご紹介します。

まず押さえたい認知症の基礎知識

認知症とは、どのような疾患なのでしょうか。発症後の進行の仕方、主な症状、留意点などをまとめます。

認知症は進行性の疾患です

認知症は、発病から徐々に症状が進行していく進行性の疾患です。認知症という診断がされたとしても、すぐに何もできなくなるわけではありません。

認知症高齢者の意思の尊重とは
適切な支援による症状の悪化の抑制

発病初期であれば、図1のように意思能力が保たれ、自分でものごとを判断することができます。図2の通り、適切な支援を行うことで症状の悪化を抑制できる可能性も示されています(※1)。

  • 1 新宿ヒロクリニック 英 裕雄 先生講演資料「シニアライフ大学第2回『認知症になってもその人らしく過ごすために』」(2014年2月13日開催)

認知症であらわれる症状

認知症であらわれる症状には、脳の神経細胞に障害が起こる「中核症状」と、それに付随して起こる「BPSD(認知症に伴う行動と心理面での症状)」があります。

中核症状には、過去についての記憶が抜け落ちたり(記憶障害)、日時や場所がわからなくなったり(見当識の障害)、物事をやりとおすことが難しくなったり(実行機能の障害)などがあります。もう一方のBPSDには、睡眠障害や幻覚、妄想、徘徊、抑うつ状態などが挙げられます。

薬物治療で進行を遅らせることもできます

薬物治療で進行を遅らせることもできます

薬物治療とは、薬を用いて行う治療のこと。認知症の中には、抗認知症薬による治療で進行を遅らせるものもあります。

積極的に治療に取り組めば、ご本人が判断したり、意思を示したりできる貴重な時間は長くなります。症状を軽減し、ご家族、介護者の負担を軽くすることにもつながります。

周囲の対応と環境次第で症状が軽減することも

周囲の対応と環境次第で症状が軽減することも

認知症の症状のうちBPSDは、ご本人の性格や環境、人間関係などの影響を受けるもの。個々人で、その程度は大きく変わります。

周囲の対応や環境を改善することで、症状があらわれるのを予防したり、症状を軽減したりできるといわれています。

認知症だと診断されたらすぐにしたいこと

認知症は、進行性の疾患。症状が軽度の初期段階であれば、ご本人ができることはたくさんあります。適切な薬物治療とともに、自分の意思をしっかり示すことができる貴重な時間を確保し、大切な人とあらためて将来について話し合っておきましょう。

家族、大切な人と話し合っておきたいこと

認知症が進行すると、ご本人の意思を伝えるのが困難になったり、物事をしっかりと判断できなくなったりもします。人生を自分らしく生き抜くために、あらかじめ大切な人たちに思いや考えを伝えたり、文字に残したりしておきましょう。ご本人の望む介護や医療が受けられるように、自分についての情報をまとめておくことも重要です。介護や医療を提供する人にとって、ご本人を理解する大切な資料になります。

1.家族で将来について話し合う

家族で将来について話し合う

将来について自分がどのようにしたいのか、あらためて考え、家族など大切な人と話し合いましょう。

話し合っておきたいこと

  • 財産・相続について
  • 生活の希望について
  • 医療・介護について
  • 家族への思い

など

2.リビングウィル(医療・介護の希望)をまとめる

リビングウィル(医療・介護の希望)をまとめる

将来の医療や介護について、具体的にどんな希望を持っているのか考え、文字に残しておきましょう。何を望むのか、何を望まないか、どちらもはっきりと意思表示しておきましょう。下記の例(※2)を参考に、自分がどうしたいのか考えてみてください。

例1 もし医療的な問題が生じた場合、療養場所はどうしたいか(肺炎になった場合など)

  • できるだけの医療的対応を行いながら自宅療養したい。
  • 家族に迷惑をかけない範囲で医療的対応を行いながら、自宅で療養したい。
  • できるだけ速やかに入院するように手配してほしい。
  • その他

例2 もし認知症が重度になったら、終末期ケアの方針は

  • できる限り、自宅で過ごしたい。
  • 自宅で最後を迎えたい。
  • 子どもや家族の考えに任せたい。
  • 施設のお世話になりたい。
  • 大変になる前に、有料老人ホームなどに移りたい。
  • その他

加えて、食事を口からとれなくなった場合などの延命的な治療の方針、医療が最後の段階になった際の終末期の治療方針などについても考えておきましょう。

  • 2 新宿ヒロクリニック 英 裕雄 先生 講演資料医療介護福祉政策研究フォーラム『地域医療~往診専門医の立場から~』(平成25年11月16日開催)

3.自分についてまとめる

名前や生年月日などの基本的な情報のほか、趣味や好み、大切なもの、やってみたいこと、思い出など、下の図(※3)を参考に自分に関する情報を書き留めておきましょう。治療や介護に役立つだけでなく、ご家族などにとってかけがえのないものになるでしょう。

自分についてまとめる

  • 3 新潟市社会福祉協議会 西区社会福祉協議会「介護が必要になった時に見るノート よろしくね」


出典:相談e-65

編集:有馬ゆえ、水上歩美(ノオト)

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