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【連載】うちの親が認知症?~まさかに備えて「介護」を学ぶ~vol.1

超高齢化社会に突入した日本では、「親の介護」は誰もが避けて通れない問題となりました。 「うちの親は、健康に気をつけているから大丈夫」と思っていても、事故や病気などに巻き込まれることも。中でも、認知症は近年増加の一途をたどっており、介護を担う家族の負担は深刻です。そこで、予期せぬ事態に慌てないための心構えやノウハウを、介護アドバイザーに教えてもらいます。
第1回 認知症予備軍の現状、知っていますか?
「介護はあるとき、突然始まる」
2001年、34歳のとき、離れて暮らす両親に相次いで介護が必要な状態となり、それから約19年にわたって介護をした私が、最初にお伝えしたいのがこのことです。
2000年に介護保険制度が始まり、テレビや新聞などでも大きく取り上げられました。それを見ていた33歳の私は「高齢化が進んだことで、こんな制度ができたのか。日本もこれから大変だなぁ」などと、他人事として捉えていました。その翌年、自分自身が介護を担うことになるとは、夢にも思っていませんでした。
心構えや準備が何も無い状態で介護に突入した結果、多くの失敗を重ねることになりました。現在はその当時の反省をもとに、これから介護をする可能性がある人や、介護初心者向けに「知っておきたい介護の基本」を伝える活動を行っています。
この連載では、介護が必要になった原因の1位である認知症の介護について、知っておきたいポイントをご紹介していきます。
「介護が必要になった原因」で、認知症の割合が増え続けている
厚生労働省の「国民生活基礎調査」では平成13年(2001年)以来、3年ごとに介護に関する調査を行っています。
図をご覧いただければ一目瞭然。「介護が必要になった原因」の中で、認知症の割合と順位のどちらも伸び続けており、最新の調査では1位となっています。
■介護が必要になった原因

65歳以上の4人に1人が認知症または予備軍
次に、平成24年(2012年)に厚生労働省が発表した資料によると、65歳以上で認知症を発症している人は462万人。認知症と健常者の中間と言われる軽度認知障害(MCI)の人は約400万人。65歳以上の7人に1人が認知症。4人に1人は、認知症またはその予備軍という計算になります。
さらに、令和7年(2025年)になると、65歳以上の5人に1人が認知症になるという推計もあり、認知症の発症リスクが高まっていることがわかります。
65歳以上は、アラサー、アラフォーからすればまさに自分の親世代。認知症の介護はもはや他人事ではなく、いつ自分の身に降りかかってもおかしくない状況なのです。
■認知症の発症率
「車いす」「おむつ交換」だけが介護ではありません
冒頭にも書きましたが、私が介護を始めることになった2001年。当時34歳だった私がイメージする介護とは、次のようなものでした。
- 身体が不自由な人を車いすに乗せて病院に連れて行く
- 食事を食べる手伝いをする
- お風呂に入れたり、身体を拭いたりする
- おむつの交換をする
これらは正確には「身体介助」といわれるもので、介護全体からすれば、ごく一部にすぎません。家事炊事や買い物の代行などを行う「生活援助」も、要介護度を高くしないためにとても重要です。
さらに認知症になった人が安心・安全に暮らせるように見守ること、なるべく症状が悪化しないようにさまざまなサポートをすることも、介護において大きなウエートを占めます。
認知症について早い段階から正しい知識を持ち、予防や早期発見を心がけることで、大切な親や家族、そして自分自身を守りやすくなります。残念ながら、その心構えが無かった私は、認知症になった両親を抱えて、右往左往することになってしまいました。
私のような失敗をしないためにも、認知症についての基礎知識を身につけ、いざというときに備えてください。次回は、認知症の種類と特徴について、具体的にお話しします。
編集:株式会社エアリーライム
※認知症についてもっと知りたい方は、エーザイ株式会社が運営する「相談e-65.net」(https://sodan.e-65.net)へ。
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