【シリーズ】プロフェッショナルのパフォーマンス論 Vol.3 井出有希さん 第3回

悩みをチャンスに変える決断力と行動力(全3回)
第3回 子どもと向き合う時間でリフレッシュ
外資系証券会社、外資系コンサルティング会社に勤務し、アナリストとして活躍した後、栄養士や調理師などホームシェフのサブスクリプションサービス「シェアダイン」を立ち上げた井出有希さん。連載第1回では、共同代表・飯田陽狩さんと共に起業に至るまでの経緯と決断への原動力、第2回では、共同代表としてのマルチタスクとの向き合い方について伺いました。
第3回は、二人の子どもを育てるママでもある井出さんが、仕事も育児家事もこなすためのパフォーマンスアップ術を聞きました。
育児家事は一人で抱え込まない
2017年に「シェアダイン株式会社」を立ち上げ、起業家として、インターンを含め15名に増えたスタッフのリーダーとして、日々マルチタスクと向き合う井出さんは、6歳の男の子、3歳の女の子のママ。まさに“子育て真っ最中”です。
「仕事と育児家事の両立は、大変なことも山ほどあるのですが、一人で抱え込まないようにしています。私の場合は、夫との分担、近くに住む義理の両親の協力、ベビーシッターサービスの利用、ロボット掃除機、食器洗浄機といった時短家電の活用など、頼れるものにはありがたく頼るようにしています。」
日々の食事では、なるべく無農薬の食材を選ぶことに加え、自社のホームシェフによる作り置きプランを利用しているという井出さん。「『(上の子が好きな)シューマイ、餃子は必ず入れてもらって、あとはおまかせします』『シンプルな和食でお願いします』など、完全に消費者目線でオーダーしていますね。手前味噌になりますが、食のプロに手づくりの家庭料理を作ってもらったり、レシピを教えてもらったりすることで、子どもたちが食材や風味に興味を抱くようになりました。食を通じて家族のコミュニケーションが深まり、豊かな時間を過ごすことが、仕事への活力につながると思います。」
子どもたちからポジティブなエネルギーをもらう
起業家というと、「寝る間も惜しんで働く」というイメージがなきにしもあらず、ですが、「睡眠時間の確保は脳のパフォーマンス向上に結びつくと思うので、なるべく夜12時前には寝るようにしています」という井出さん。
勤務時間は基本9時から17時で、17時過ぎには子どもたちを保育園に迎えに行き、自宅に到着するのが18時半。その後夕食、入浴をすませ、遅くとも21時30分くらいまでには絵本を読みながら寝かしつけ……というのがルーティン。
「その日のうちにやるべき業務が残っている時は、自宅で子どもが寝てからパソコン仕事をすることもありますが、疲れている時は無理せず、子どもと一緒に寝落ち(笑)。そのぶん次の日の朝早く起きて、仕事を片付けます」
タフで、“いつでもどこでも寝られる”タイプの井出さんですが、仕事で思い悩み、眠れない夜が続いたこともあったそう。
「開業当初、資金調達がうまくいかない日々が続いた時は、精神的につらかったですね。これからどうなってしまうのか、不安でいっぱいになって、なかなか寝つけませんでした」といいます。
そんな井出さんが無理なくマインドチェンジできたのは、「子どもたちがいたから」
「子どもって、当たり前ですけど、親が仕事で悩んでいることなんておかまいなしに、『ママ!』『ママ!』って飛び込んでくるじゃないですか。その無邪気さに真正面からこたえ、ギューッとハグしたり、好きな遊びをしたりしているうちに、ポジティブなエネルギーをもらえる気がします。お手伝いに興味が湧いてきた娘と一緒に、遊び感覚で洗濯ものをたたんだり、雑巾がけをしたりする時間も楽しいですね。子どもにどっぷり向き合う時間を持つことで、仕事で凝りかたまってしまった頭がほぐれ、リフレッシュできます」
仕事の悩みは、夫婦で吐き出し合う
起業を後押ししてくれたご主人も、井出さんの良き理解者。仕事で悩みがある時は、ご主人に話を聞いてもらうことが多いそうです。
「男性は、仕事の話を家庭ではしない方が多いと聞きますが、主人は仕事の話を私によくしてきますね。お互い、話を聞きあって『そうなんだ。自分だったらこうするかな』くらいまでは相手に返しますが、具体的にアドバイスし合ったりはしません。モヤモヤしていることをお互いに吐き出し合うことで、頭の中を整理する感じです。日々フラットな精神状態で仕事に向き合うためには、 家族に話を聞いてもらい、“悩みを溜めない”ことも大切だと思います」
サービス開始2年目をむかえ、順調に売り上げを伸ばすだけでなく、メディア露出も増え、認知度も徐々に高まりつつある同社。
「私も共同代表の飯田も、共にママ。仕事の相手方もママさんが多く、『制約がある中で、最大限の力を発揮する』という共通認識のもとで、日々仕事と向き合っています。子どもを授かったからこそ、立ち上げたこの事業です。まだまだ課題はたくさんありますが、家族や周りの方々の力を借りながら、わが子を育てるがごとく、じっくりと丁寧に育てていきたいと思います」
編集:株式会社エアリーライム ライター:長島ともこ カメラマン:新山貴一
歩数管理して、運動習慣を身につけよう!

記録した歩数などは自動でスコアリングされ、ブレインパフォーマンスによい健康習慣を持続しているかを確認できます。
FEEDBACK 評価 / コメントする
- 記事および画像の無断転載・無断使用は禁止しています。
RECOMMEND おすすめ記事

読書は脳の栄養ドリンク 〜国語講師の吉田裕子さん…

【INTERVIEW】西澤明洋さんクリエイターの…

仕事のムダとミスを減らす「脳の時間割」 vol.1

【シリーズ】プロフェッショナルのパフォーマンス論…

【INTERVIEW】西澤明洋さんクリエイターの…

【連載】脳にしみついた「悪習慣」を「良い習慣」に…
PICK UP ピックアップ
