東大式脳力アップのコツ② これならマネできそう!? 東大生が実践する「なぜ?」からはじまる記憶術

東大式脳力アップのコツ②これならマネできそう!? 東大生が実践する「なぜ?」からはじまる記憶術

仕事のミーティング中、読んだことのある書籍が話題に上がったのに、内容をきちんと覚えていなかったせいで会話に参加できなかった──。そんな経験がある人は、少なくないのではないでしょうか。

その点、テレビのクイズ番組などで活躍する東大生たちは、どんなジャンルにもそつなく回答し、「さすがだな」と唸らされてしまいます。彼らはなぜ、あんなにたくさんのことを覚えられるのでしょう? やはり記憶力が格段にすぐれているのでしょうか。

偏差値35からの東大合格を果たし、『東大読書』『東大作文』(東洋経済新報社)などのベストセラーも手掛ける西岡壱誠さんによると、その答えは「NO」。東大生だからといって物覚えがいい人ばかりではないし、多くの東大生は「自分が記憶力にすぐれている」とも思っていないといいます。だとしたら、東大生はどうやって数多くの知識を身に付けているのでしょうか。そこにはちょっとした「コツ」があるのだそうです。

西岡壱誠さんプロフィール

  • 西岡壱誠さん

    にしおか・いっせい
    1996年生まれ。偏差値35から東大受験を決意。2浪が決まった崖っぷちの状況で開発した「思考法」「読書術」「作文術」で、東大模試全国第4位となり、東大にも無事に合格した。進学後は学内書評誌「ひろば」の編集長を務めたほか、「現役東大生作家」として数々の著作を執筆。また、人気漫画『ドラゴン桜2』(講談社)に情報提供を行う「ドラゴン桜2 東大生プロジェクトチーム『東龍門』」のプロジェクトリーダーを務め、受験や学習全般に関してさまざまな調査・情報提供を行った。著書に『現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術』『読むだけで点数が上がる! 東大生が教えるずるいテスト術』(ともにダイヤモンド社)、『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考』(東洋経済新報社)などがある。

知識量の多い人は「ものの見方」が違っている!?

東大生は受験や学内の試験など、必要なタイミングで数多くの知識を身につけます。一説によると、東大受験においては、英単語を4000語、古典単語を500語、数学の公式を500個、社会や理科の暗記項目を1000個以上覚える必要があるとか。

では、こうした膨大な知識を蓄えるための「コツ」は? 西岡さんは、知識量の多い人たちに共通する特徴を「記憶する対象への『見方』の違い」だと表現します。

「たとえば『unite』という英単語を覚えたいとき、みなさんならどうしますか?  10回書いて覚える人もいれば、語呂合わせをつくって覚える人もいるでしょう。どちらも覚えるための手段としては正しいと思います。でも東大生は、この単語を覚えるときに、ただ丸暗記するのではなく『見方』を変えて覚えようとします。uniteってUnited States of Americaのuniteですよね。アメリカは合衆国であり、たくさんの州(States)が集まって成り立っている。つまり、United Statesは、州が結合してつくられているという意味です。

他方、uniteの『uni』を使った英単語には、ユニフォーム(uniform)やユニーク(unique)などがあります。これらの単語を見たときに、東大生は『uni』はどういう言葉に使われるんだろう? と疑問を持つんですね。それで調べてみると、『uni』には『一つ』という意味があることがわかる。ユニフォーム=一つの服に統一したもの、ユニーク=ほかにはない一つだけの個性。じゃあ『unite』はというと? 『統一する』を意味します。バラバラのものを一つにするから統一。これで『unite』という単語の意味だけでなく、成り立ちまで覚えられましたよね?」

日常の「なぜ?」を解き明かし、知識を網羅していく

日常の「なぜ?」を解き明かし、知識を網羅していく

このような「ものの見方」は英単語だけでなく、「あらゆる物事を覚えるときに役立つ」というのが西岡さんの持論です。

「もっと身近な例を上げてみましょう。少し前に、King Gnuの『白日』という曲がヒットしましたが、『白日』という単語には、『真昼』や『太陽』に加えて、『身が潔白である』という意味があります。あの曲では、『僕らはときに人を傷つけたりするので、イノセントとはいえないよね』といった意味合いのことが歌われている。なので、『白日』の意味を知ってさえいれば、歌詞を聴いただけで曲名が浮かぶはず。『King Gnuのあの曲、タイトルなんだったっけ?』という会話もなくなるわけです」

つまり、東大生をはじめ、多くの知識を身につけている人は、「記憶力」にすぐれているのではなく、「関連付ける能力」や「変換する能力」にすぐれているということ。そして、そこで重要なのは、「なぜuniteの意味は『統一』なのか」「なぜKing Gnuのあの歌のタイトルは『白日』なのか」と疑問をもち、答えを探る姿勢だと西岡さんはいいます。

「なぜ、夕焼けがきれいな日の翌日は雨なのか。なぜ、ペリーは1853年に日本へ来航したのか──。東大生はあらゆる物事に疑問をぶつけるからこそ、その理由を知っています」

実は、東大の入試問題には「なぜ?」を問うものが多く、受験生たちは勉強をするなかで自然と「なぜ?」の思考を身に着けていくのだとか。とはいえ、あらゆる局面で「なぜ?」をぶつけてみるという作業は、私たちにも簡単にできること。東大生のやり方は「誰にでも実践できる記憶術」といえるかもしれません。

「関連付けたり、変換したりする力を身につけるためにも、1日1個は意識的に疑問を持って調べるようにしてみてください。人間は“習慣の生き物”なので、それをやっているうちに『なぜ?』と感じることが当たり前になってくるはずです。習慣化することができれば、自然と知識量は植えていくし、記憶力も向上していくと思いますよ」

一度脳に入れた情報を「復習」することで定着させる

「なぜ?」を習慣化すれば知識量は増えていくことはわかりましたが……。悲しいかな、人間は忘れていく生き物でもあります。となれば、次は記憶した知識を定着させるための方法を身につける必要がありそう。西岡さんによれば、そのためにやるべきことは「復習」だといいます。

「脳科学の本によると、私たちが頭に入れた新しい情報は、いったん脳の中の海馬という器官に送られます。そして、海馬は送られてきた膨大な情報を取捨選択し、『この情報はいらないな』と判断したものは忘れ、『この情報は大切だ』と判断したものを脳の大脳皮質に送るとされています」

大脳皮質に送られた情報は、記憶として定着していくそうですが、その流れのなかで重要になってくるのが復習。海馬は何度も送られてくる情報を「大切なものに違いない」と考え、その都度大脳皮質へ送るので、復習によって送られる情報は記憶として定着しやすいわけです。

となれば、「なぜ?」を解き明かすことと同時に、復習することも習慣づけたいところ。そして、記憶した情報を「忘れていないか」について定期的にチェックする必要もありそうです。

ではここで、「記憶が定着したかどうか」をチェックするために、西岡さんが考案した「タイムカプセル暗記ゲーム」についても紹介しておきましょう。ゲームのやり方は以下のとおりです。

タイムカプセル暗記ゲーム

①覚えたいことが書かれた本や単語帳を用意して、目標を定める

「この本の○○ページまでの重要な箇所を10個覚えよう」「この単語帳で100語ずつ単語を覚えよう」など、暗記する対象を定めます。

②該当箇所をひと通り暗記できたと感じたら、それに関連する20問テストを作成する

問題の形式は自由です。「この単語の意味はなんですか?」といった一問一答のものや、「この人物のセリフを次から選びなさい」といった選択式のもの、「次の空欄に当てはまる言葉を入れなさい」といった穴埋め問題でもOK。自分なりに20問テストをつくってみましょう。

③作成したテストをコピーして、保管しておく

保管している間、テストを見てはいけません。このテストこそが「タイムカプセル」なのです。

④2日間「テスト勉強」をしたうえで、3日後にテストを解いてみる

満点が取れればゲームクリアです!

ゲームの最中に「タイムカプセル」を見てはいけませんが、その元になった本や参考書、単語帳を見て復習するのはOK。3日後にテストを解いてみて、満点が取れなければゲームオーバー。18点でも19点でもだめです。ゲームオーバーになった場合は、満点が取れるまで繰り返しましょう。

「自分で作ったテストだったら、簡単に解けるのでは?」と思ってしまいますが、ちょっとしたミスがあったりして、意外に満点がとれないのだとか。このゲームで満点が取れたら、記憶が定着した可能性が高いということなので、ぜひお試しを。なお、西岡さんの著書『現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術』には、ほかにもゲーム感覚で楽しめる暗記術がたくさん掲載されているので、気になった方はそちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。


取材・文:岸良ゆか

 

【西岡壱誠さんの著書】

現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術


現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術

著者:西岡壱誠
出版社:ダイヤモンド社
発売日: 2017/4/6

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