東大式脳力アップのコツ①がんばらないのがコツ?集中力を格段に高める5つの方法

東大式脳力アップのコツ① がんばらないのがコツ? 集中力を格段に高める5つの方法

「受験勉強において一番重要だと思う能力はなんですか?」。東京大学に通う学生にこの質問をぶつけてみたところ、約6割が「集中力」と答えたそうです(2018年 ぺんてる「東京六大学卒業生・在学生調査」調べ)。世間的には、「東大に合格するような人は、ほかの受験生より長い時間勉強している」というイメージを持たれていそうですが、大切なのは時間ではなく集中力。圧倒的に集中し、効率をぐんと上げながら勉強しているからこそ、東大に合格できるというわけです。

では、彼らはどのようにして集中力を高めているのでしょうか。偏差値35から東大合格を果たし、自身の経験とノウハウをまとめた書籍『東大集中力 ~やりたくないことも最速で終わらせる』(大和書房)を上梓した西岡壱誠さんに、受験生以外でも使える“集中力を高めるための5つの方法”を教えてもらいました。

西岡壱誠さんプロフィール

  • 西岡壱誠さん

    にしおか・いっせい
    1996年生まれ。偏差値35から東大受験を決意。2浪が決まった崖っぷちの状況で開発した「思考法」「読書術」「作文術」で、東大模試全国第4位となり、東大にも無事に合格した。進学後は学内書評誌「ひろば」の編集長を務めたほか、「現役東大生作家」として数々の著作を執筆。また、人気漫画『ドラゴン桜2』(講談社)に情報提供を行う「ドラゴン桜2 東大生プロジェクトチーム『東龍門』」のプロジェクトリーダーを務め、受験や学習全般に関してさまざまな調査・情報提供を行った。著書に『現役東大生が教える「ゲーム式」暗記術』『読むだけで点数が上がる! 東大生が教えるずるいテスト術』(ともにダイヤモンド社)、『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考』(東洋経済新報社)などがある。

キーワードは「切り捨てる」と「継続」

キーワードは「切り捨てる」と「継続」

「集中」と聞くと、さまざまな誘惑に耐えながら、ストイックにがんばる姿を想像する人が多いかもしれません。西岡さん自身も、偏差値35で東大をめざそうと決めた現役受験生時代は、できるかぎり長い時間──1日に13~14時間は勉強しよう! と自分を奮い立たせて机に向かっていたそうです。

けれど、結果は不合格。1年間の浪人生活を経て挑戦した翌年の試験でも、残念ながら東大合格はかないませんでした。

「2浪が決まったときに、あらためて『自分はバカだ』と気づきました(笑)。そんな自分が、自己流のやり方を続けていたら、いつまでもたっても東大には合格できません。それで、東大に受かった友だちや塾の仲間に『勉強法を教えてくれ』と聞いて回るところからやり直しました」

その結果、「1日の勉強時間がそれまでの半分で済むようになった」という西岡さん。にもかかわらず、勉強の効率は格段にアップ。翌年、3度目の正直で見事に東大に合格しました。そのときに、勉強は「時間の長さ」よりも「集中の質」が大切だと気付かされたそうです。

さて、そんな西岡さんが考える、集中して成果を出すためのキーワードは「切り捨てる」と「継続」の二つ。ここからは、実際のやり方を交えながら、西岡さんの言葉で詳しく解説してもらいましょう。

明日からでも実践できる、集中力を高める方法とは?

明日からでも実践できる、集中力を高める方法とは?

1. 机の上をきれいに片づける

世間では、勉強や仕事のさばきかたを「マルチタスク型か、シングルタスク型か」にわけたりすることもありますが、実際のところ、マルチタスクに向く人間は非常に少ないというのが僕の考えです。つまり、多くの人は一点集中型──シングルタスク型だということ。人は基本的に一つのことにしか集中できない。であるとすれば、「いま集中すべき対象」を選ばなければなりません。そしてそれは、いまやるべきでないものを「切り捨てる」ことでもあります。

それをふまえて、「どうすれば集中力が高まりますか?」と聞かれたとき、僕はまず「机の上をきれいにしましょう」と答えるようにしています。理由は単純で、机の上に集中の対象しかない状態と、やることの選択肢が10個ある状態では、当然ながら前者のほうが集中できるから。机の上にある雑多な物、たとえば雑誌やゲーム機、スマホなども、やることの選択肢になり得ます。

2. 目標を明確かつ小分けして、具体化する

机の上から誘惑を排除して、「この1時間で英語の勉強をしよう」「読書をしよう」「企画書を書こう」と決めたのに、やっぱり集中することができない……。そういうケースもあるかもしれません。その場合は、まだ選択肢を捨て切れていない可能性が高いので、具体的な目標を設定して、集中する対象の輪郭をよりはっきりと捉えてみてください。

たとえば「1時間で英語をやろう」ではなく、「1時間で英会話のテキストをここまで進めよう」と目標設定する。「読書をしよう」ではなく「この本を○○ページまで読もう」にする。「企画書を書こう」ではなく「企画書のアウトラインを考えよう」にする。

人は、ゴールが漠然としたままでは、なかなか集中状態に入ることができません。だからこそ、ゴール(大タスク)を明確にしたうえで、そこにたどり着くまでの工程(小タスク)を細かく書き出す。そして、それぞれの少タスクをできるかぎり具体化し、ひとつずつ着実にこなしていくことが大事。東大生は、この「目標の分解」「選択と集中」が抜群にうまいと感じます。

3. インプットよりアウトプットを増やす

集中できたときって、「気がついたら集中していた」ということが多いと思いませんか? あまり乗り気ではなかったけれど、とりあえずやっているうちに、いつのまにか夢中になっていた──意識せずに自然に集中できているような状態ですね。では、その状態になるために有効なことはなんでしょう。インプットよりもアウトプット、つまり手を動かしてみることです。

単純にテキストを読み進めるのではなく、実際に問題を解いたり、声に出したりしてみる。企画書のアウトラインを考えるだけではなく、思いついたことを書き出してみる。それだけで集中力が増していることが実感できると思います。アウトプットというのは、やらなければならないことを明確化することでもあるので、「次に何をやらなければならないか」もわかるようになるはず。人がインプットよりアウトプットのタイミングで集中することが多いのは、そうやって自然な形で次の目標設定ができるからなのです。

4. おいしいところを「ちょっとだけ」残す

ここまで話した方法で集中できたとしても、それを持続できなければ意味がありません。では、集中を継続するにはどうすればいいのか。僕がおすすめするのは、あえて「ちょっとだけ残す」という方法です。

たとえば勉強の場合、問題を解いたあとに採点だけ残してその日のタスクを終える。仕事の企画書を書いている場合なら、あとは30字ほどのまとめの言葉を書けば完成、というところで終えてみる。そんな具合に、わざとキリの悪いところでやめて、ちょっとだけ残しておくのです。

そうすると、次の日に「今日は気分がのらないな」「しんどいな」と思ったとしても、タスクがちょっとだけ残っていることを思い出して、「とりあえずそれだけは終わらせようか」となりますよね。そして、やり残したことをやっているうちに、“能動的な自分”を取り戻して、その日のタスクもこなしてしまう。「ちょっとだけ」残したものが、運動する前の準備体操の役割を果たしてくれるわけです。

5. 自分にご褒美を与える

集中を継続するためにもうひとつ有効なのは、目の前に「報酬」をつくるやり方。「これをクリアしたら、これを自分に許す」という形で、いわゆる「ご褒美」を用意するのです。たとえば1時間集中したら、おいしいお菓子をひとつ食べるとか、お気に入りのドラマを1話だけ見るとか。これが意外に効果的な方法で、ささやかなご褒美があるだけでがんばれる人はけっこういます。

ご褒美を使って、「集中」に一定の線を引くことには、作業を単調にしないという効果があるほか、一定の達成感を得ることにもつながります。そういう意味では「ここまでがんばった」「ここからまたがんばろう」と、区切りをつくりながらモチベーションを維持するのは、手軽ながら合理的な方法だと思います。

自己認識を深めて独自の方法を手に入れる

ここまで5つの方法を紹介してきましたが、「どのやり方が向いているかは、人によって違う」と西岡さんは強調します。

「たとえば5つめの『ご褒美を与える』みたいなやり方に忌避感を示す人もいます。自分は感情で動くタイプではないので、より具体的で明確な目的がないと集中でいない、といったような方ですね。また、人間には『慎重派』と『行動派』の2つの行動パターンがあって、慎重派は『実践するまでは長いけど、実践してからは集中できる』タイプ。一方、行動派は『実践するまでは短いけど、実践してからは続かない』タイプ。集中する際も、当然、どちらのタイプなのかによって選ぶべき方法は異なります」

慎重派の場合、最初に集中モードに突入するところに力を入れるべきだし、行動派の場合はいかに集中力を持続させるかに注力すべきだそう。となれば、まずは「自分はどういう人間なのか」を知ることから始めるのがよさそうです。

「あまり東大賛美をしたくはありませんが、もし東大生にほかの人より優れている点があるとするならば、自己認識の深さだと思います。自分はなにが得意なのか、どういうところでつまづくのかを知っている人が多いんです。みなさんもここに紹介した方法を試しながら、自分に合った方法を知り、自分なりの集中法を構築してみてください」

次回は、東大生が実践する「記憶術」をテーマにお話をうかがいます。


取材・文:岸良ゆか

【西岡壱誠さんの著書】

東大集中力

東大集中力~やりたくないことも最速で終わらせる

著者:西岡壱誠
出版社:大和書房
発売日: 2019/8/25

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