「自分で考える日」を作って積極的に頭を使い脳トレしよう

「あれ、どうやるんだっけ?」
「みんなのオススメはどれかな?」
気になることがあると、ついスマートフォンやパソコンで調べてしまいます。すぐ答えがわかるので便利だけれど、調べた結果をそのまま答えとしがちで、自分で考える機会が減ってしまったような……。
ちょっとしたことでも、まずは自分で考えることを意識して過ごせば、これまで以上に頭を使えて脳トレになるのでは?
そんな仮説のもと、ある休日に、丸一日何も調べないで「自分で考える日」を過ごしてみることにしました。
いつもどんなことを調べているのか?

「自分で考える日」を実践する前に、まずは日頃どんなことを調べているのか確認してみます。3日間、自分の生活を振り返って、より調べる回数が多かった項目をまとめました。
(1)今日の天気
朝起きてすぐ、スマホアプリで天気を調べるのが日課です。傘を持って外出するべきか、洗濯物を干して大丈夫かなど、行動を決めるときに役立てています。
(2)料理のレシピ
料理が得意ではないので、失敗しないようにアプリでレシピを調べて、その手順や分量に合わせて作ります。「塩少々」とか「ねぎはお好みで」と言われると困っちゃうタイプです。
(3)買い物のレビュー
柔軟剤が切れたので買いに行こうと思い、「柔軟剤 おすすめ」とウェブブラウザで検索しました。あらゆる人のおすすめ情報を見て選んだのですが、使用感は可もなく不可もなくで、良い買い物だったかは疑問です。
(4)目的地までの道順
気になるお店、取引先のオフィスなど、出かけるときは必ず地図アプリで道順を検索して、案内されたルート通りに向かいます。電波が悪くて地図アプリが不調なときはソワソワします。
(5)気になること
そのほか、気になることは何でも調べています。わからない漢字、友人に教えてもらった飲食店のメニューなど、その場でパッと調べてメモアプリに記録しています。
普段あまり意識していなかったけれど、こんなにも多くのことを日々調べているのです。「自分で考える日」を実践するときは、これらのことをスマホやパソコンを使って調べずに、頭をフル回転させて考えてみようと思います。
丸一日何も調べない「自分で考える日」を作って脳トレしてみる
ある休日、「何も調べない」をルールに1日過ごしてみました。
朝起きて「今日の天気は……」と、何気なくスマホに手を伸ばしている自分にハッとしました。窓を開けて、雲の量や湿気の具合を確認。雨は降らなそうなので、洗濯物を干すことにしました。
そんな調子で始まった1日のスケジュールは、以下の通りです。

途中、何度もスマホのウェブブラウザやアプリを開きそうになりましたが、ぐっとこらえました。そのおかげか、スマホの充電がいつもより長持ちした気がします(笑)。
そして、たった1日ですが「自分で考える日」を過ごす中でうれしい発見がありました。
事前に計画を練ることで、無駄がなくなった
で何が作れそうかを考えました。さらに何を買い足せばいいのか、まるでパズルのピースを埋めるように考えて、買い物リストを作ってから出かけました。
買い物リストを作ったことで、スーパーでの買い物はすぐに終わり、不要なものを買ってしまうことも防げました。買い物リストを作るのに多少時間はかかったものの、迷うことなく買い物できたことでお金の節約になり、冷蔵庫の余り物をうまく活用できて達成感もありました。

自分で選んだことは記憶しやすい
昼食は、料理のレシピを見ずに野菜スープと魚介の和風パスタを作りました。「スープの素はどれくらい入れるべき?」「パスタソースの味付けはどうする?」など、自問自答しながら作り、結果的においしい料理ができました。
驚いたのは、数日経っても料理の材料や分量を覚えていたこと。アプリで調べたレシピはすぐ忘れてしまうけれど、自分で考えて選んだことは記憶しやすいのだと感じました。さらに、この鍋の半分まで水を入れたらスープの素はこれくらい、といった具合に自宅の調理器具を使った自分だけの物差しができたのもうれしい。
いつも見逃していたことに気がつけた
昼食後に行った書店は初めて訪れたお店でした。近所にあると聞いてはいましたが、行ったこともなければ、場所の記憶も曖昧……。本当は地図アプリを使いたいけれど、記憶を頼りに歩いてみました。
アプリを使わない分、目印になる建物や店を見つけて、頭の中で地図を作っていきます。そうすることで、道順を記憶でき、帰り道で迷うことはありませんでした。また、いつも通っている道でも「こんなところにケーキ屋さんがあったんだ」「この路地は植物がきれいだな」など、スマホを見つめて歩いていたときには気づかない発見がありました。

必要な情報を自分で選び取るよろこび
書店では、本のレビューを見ずに、読みたいと思うものをその場で選びました。並べられた本のタイトルや帯に書かれた文章から、今自分に必要な情報が書かれているかを想像し、パラパラと内容を確認して1冊購入しました。
なぜこの本に惹かれたのか、この本から何を学びたいのかなど、いろんな考えを頭の中に巡らせて、吟味してから購入したので得られる情報が多かったです。誰かがおすすめした本ではなく、自分で選んだ本を買ったというだけでも、なんだか胸が踊り充実感がありました。
自分で考える機会を増やして、脳トレをしよう
「何も調べない」というルールを設けることで、自分の生活をより豊かにするにはどうすればいいのか、積極的に考えるようになりました。調べたことを鵜呑みにして、何かを買ったり作ったりするよりも、自分で考えて選んだ行動のほうが、納得感があるように感じました。
「さて、次はどうしよう?」と常に頭の中に疑問を持ち、アイデアを考えることは意外と脳トレになりそうです。1日をぼーっと過ごすことなく、有意義な時間を過ごせたような気がします。
ただ、「何も調べないほうがいい」というわけではありません。スマホやパソコンで調べたほうが、早く答えにたどり着けて効率的である場面は多々あります。取材を通して、あらためて、すぐに調べられる環境のありがたみを感じました。
今回の取材のように、丸一日何も調べないことが難しいときは、例えば「料理のレシピは見ない」「本はレビューを見ないで買う」など、日々のちょっとしたことから自分で考えるクセをつけるだけでも十分脳トレになりそうです。どんなことを自分で選びたいか、どんなことを記憶しておきたいかによって、調べるか自分で考えるかを見極めるのがいいのではないでしょうか。
調べないことでスマホやパソコンを使う頻度が減るため、デジタルデトックスの効果も期待できそう。最近自分で考えることが減ったと感じる人は、「自分で考える日」をぜひ試してみてください。
取材・文:水上歩美(ノオト) 編集:ノオト 写真:宗形裕子
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