読書は脳の栄養ドリンク 〜国語講師の吉田裕子さんに教わるハイパフォーマンス読書〜

脳を活性化させ、想像力を豊かにしてくれる読書。時に、空っぽになった脳に知識を満たし、前向きの思考へとスイッチを入れ、いわば栄養ドリンクのような役割を果たしてくれます。コロナ禍でおうち時間が長くなった今こそ、読書で人生のモチベーションを高めるチャンス! さっそく「効く読書術」を読書のプロに聞きました。教えてくれたのは、塾にも予備校にも通わずに現役東大合格をした国語講師の吉田裕子さんです。

吉田裕子さんプロフィール

  • 吉田裕子さんプロフィール

    よしだ・ゆうこ 1985年生まれ。三重県出身、東京大学教養学部超域文化科学科を学科首席で卒業。働きながら慶應義塾大学文学部を卒業、放送大学大学院を修了。通信制大学の卒業と仕事を両立する中で編み出した勉強法・思考法を発信する国語講師。「大人の語彙力が使える順できちんと身につく本」(かんき出版)ほか著書30冊ほど。

ハードルを高くしない「頑張らない」読書

ハードルを高くしない「頑張らない」読書

――吉田さんは、著書の中で1冊の本には人を変える力があり、脳にも心にも「効く」読書法を紹介しています。大事なのは「心が赴くまま、緩く、気負わずに」とのこと。具体的に教えてもらえますか。

鍵は「頑張らない」。自分でハードルを高くしないことです。いきなり意気込んで、難しい本や仕事に役立ちそうだからと読みたくもない本を選び、一気に読もうとすると、脳も拒否反応を起こしてそれだけでしんどくなりますから。「1日1冊!」と決めても読めない時だってあります。掲げた目標を達成できないと、そこで凹み、続かなくなる。「あの本を読まなくちゃ」という呪いからも解放されて自由になるべきです。気になる本、素直に読みたいな、と思う本から手に取るのがいいと思います。

毎日10分読書をする環境をつくる

毎日10分読書をする環境をつくる

――ではどんなふうに読書習慣をつければいいのでしょうか。

朝起きてから、寝る前、電車の中など毎回バラバラの時間帯でもいいので、とにかく毎日10 分本を読む。これを繰り返すことです。ただそれだけです。「たったの10 分ではたいした量は読めないのでは」と思う人もいるかもしれませんが、とんでもありません。実際にウォッチ片手に10 分間読んでみてください。結構な量を読むことができます。エッセイやビジネス書には見開きから10 頁ほどでひとつのトピックになっている本が多く、1日に10 分読めば、1項目ずつ読んでいく計算に。それを続けると1週間もかからずに1冊アッという間に読み終わる。意外と10 分読書は効率的かつ自然なのですよ。

――その10分読書を毎日続けるにはどうしたらいいのでしょうか?

読書する「環境」をつくり、日々の生活になじませることです。カフェ読書、バスルーム読書など……、すぐに手が届くところに常に本があるというのが理想です。

多くの人が、スマホがいつも手の届く範囲にあるように、本も近くに置きましょう。テレビを観ていても、食事をしていても、何かを知りたい、調べたい、読みたいという時に手を延ばせば本がある。そうなれば何かの助けになりますし、情報の引き出しも増えるでしょう。私はバスルームの脱衣所に本棚を作り、その日読みたい本を1冊選んで浴室に持ち込み、バスルーム読書を楽しんでいます。カフェ読書も良いですね。仕事に行く前に少し早めに家を出て、カフェで10 分本を読みながらコーヒーを飲む。友人との待ち合わせに10 分早く行って読書する。それならば始めやすいかもしれませんね。

忙しい時こそ、脳へのインプットを忘れずに

忙しい時こそ、脳へのインプットを忘れずに

――10分さえ、忙しくて難しいと感じる人もいるかもしれません。

むしろ、「忙しい時こそ本を読む」という習慣をあえてつくってみてください。同じ10 分でも忙しい中での10 分と、のんびりしている中での10 分だと、前者の方が集中し、効率的にできると感じることはありませんか? それは家事にも読書にもいえると私は思います。

忙しくしていて活動量が上がっている時というのは、前向きにテンションが盛り上がっています。気持ちも貪欲でアンテナも敏感。情報を得ようとするインプット能力も普段に比べて上がっているはずです。そういう時というのは自分の知恵や能力を振り絞っているとき。アウトプットが多いほど、脳へのインプットを求める。理由は空いた自分の引き出しには、何かを入れて埋めたくなるからです。だから忙しいタイミングでの読書は効率が良い。読書習慣を作るには忙しい人にも理想的ということです。

心が動く本を選び、手と心を動かして読んで脳へのインプットを高める

心が動く本を選び、手と心を動かして読んで脳へのインプットを高める

――どんな本を、どのように読むべきかを教えてください。

自分の心が動く本を選びましょう! 「心が動く=自分自身に価値のある本」だからです。どんな本でも構いません。本屋さんではまず、ベストセラーや最新刊が並ぶ平積みのコーナーで、タイトルや本の帯(宣伝文句)や、売り場のPOPを眺めて心動かされる文言がある本を選びましょう。「この本からはこういうことを得たい(学びたい)」という明確な目的意識をもち選べばさらに良いでしょう。

――より有意義な読み方はありますか?

選んだ本から多くのインプットを得るには、読みながら手と心を動かすこと。メモを取ったり、付箋を貼ったり、線を引いたり、ノートに書き写したりして、こまめに手を動かしましょう。そして感心したり、感動したり「へー」と大きな声を出しながら読んでみる。テレビのコメンテーターになった気分で(!?)大げさに反応すると、それにつられて心もぐいぐい動きます。同様に「これってほんとかな?」と疑問を持ちながら批判的に読むのも脳へのインプットを高めると思います。

それから、読みながら、自分ごととして考えることも大切です。自分ならばどうするか、自分とどこが似ていてどこが違うのか、自分に関連付けて読むことで、実際の人生のヒントに繋がります。

人生の岐路に立った時、苦しい時、本はいつだって助けてくれる

人生の岐路に立った時、苦しい時、本はいつだって助けてくれる

――読書の魅力は何ですか?

自由に本との出会いを楽しみながら、読書習慣をつけ、それに慣れてくると、本とのセレンディピティ(偶然性)を感じられるようになります。どういうことかというと、何かに悩んでいる時に本屋に行ったらその悩み解決の糸口になるような言葉が詰まった本が目の前にあった、というような偶然が起きるのです。それが読書の魅力の一つでもあるんです。

――最後に、吉田さんにとって「読書」とはなんですか?

読書は語彙力だけでなく、想像力や客観力を高める素晴らしいものです。人生相談の本も多くありますが、そのたぐいの本は前を向く力を与える言葉やヒントに溢れ、人生のエールが詰まっています。口も堅くて、プライバシーも守ってくれる、それが本です。同じことを何回聞いても怒らず、いつでも何度でも根気強く文字で教えてくれます。何度読んでも納得したり心動かされたり。いつだって頼りになる頼もしい存在。そんな本との出会いを多く重ね、豊かな人生を送っていただきたい。人脈と同じぐらい「本脈」を大切にしていっていただきたいですね。


企画・ディレクション:株式会社エアリーライム  編集・ライティング:大崎百紀(マルコカンパニー)

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