【連載】脳力がUPする食事術 Vol.4 自由が利かない出張時に賢く食べるには?

単に体に良さそうだからではなく、“置かれた状況や心身のコンディションに応じた食事”を選ぶ技術は、一流のアスリートに限らず、ビジネスパーソンも身につけておきたいもの。フィギュアスケートの髙橋大輔さんや、短距離走のサニブラウン選手など、多くのトップアスリートの栄養指導に当たってきた石川さんに教わる食事術の最終回は、なかなか時間や内容をコントロールしにくい出張中の食事にフォーカスします。

毎日の積み重ねで「食事を選ぶ能力」を高める

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今の自分にとって必要な食事は何かを理解するのは、意外と難しいものです。スポーツ栄養アドバイザーの石川さんも、トップアスリートに栄養指導をするに当たり、そこが最も苦心したところだと打ち明けます。

「例えば海外遠征。必ずしも栄養士などが帯同できるとは限りません。日本の食材がなかなか手に入らないとき、必要になってくるのが“食事を選ぶ能力”です。私も以前は無理に意識を持たせようとしたり、躍起になって管理したりしていましたが、うまくいきませんでした」(石川さん)

そこで実践したのが、選手自ら「食事づくり」に関わらせることでした。たんぱく質、食物繊維、炭水化物など、栄養を考えながら自分で食材を選び、生か加熱か、どの油を使うかなど調理法を考え、時には人にふるまう。そうすることで「食材は選ぶもの」という意識が自然に生まれ、知識が身についていったそうです。

ビジネスパーソンも同じと石川さん。「“何でもいい”ではなく、“選択する”という意識をまずは持ってほしい。その積み重ねで、食事の取り方が変わっていきます」

 

朝食のビュッフェでは、主食1:主菜1:副菜2!

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ここからは具体的なノウハウを紹介していきます。国内外を問わず、仕事であちこち飛び歩く機会が多いビジネスパーソン。本人は自覚していなくても、長距離の移動は思った以上に疲労をもたらすものです。

「出張に行くと胃腸の調子が悪くなる、と感じている人は、乗り物の長時間の揺れに加え、現地での食事の取り方で、かなり胃腸に負担がかかっているかもしれません」

特に宴会による食べ過ぎ、飲み過ぎは、翌日にダメージを残しやすいのですが、宴会では食べるものは自分で決められないうえ、大事な仕事の延長線上。その場の雰囲気を壊さない程度に暴飲暴食に気を付けるしかありません。

「気にしたいのが、1人の時や同僚との食事。出張中は食べる時間が不規則になったり、ゆっくり食べる時間がなかったりするのは仕方ないこと。それでも、できることはあります。例えばホテルのビュッフェで朝食を取る際に、何も考えずに欲しいものを皿に載せてしまうと、かなりの確率で脂質の量が多過ぎる栄養バランスの悪い食事になります(笑)。おすすめは、主食1:主菜1:副菜2のバランス。ごはんやパンなどの主食の量を1とすると、肉や魚、豆腐などの主菜もほぼ同量に、そして、サラダや和え物、海藻、きのこなどが入った副菜を2の割合で皿に載せるのです。これなら、栄養学的な知識がなくても、すぐに実践できます」

出張先の昼食が「蕎麦」ならこんなメニュー

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出張中の昼食に石川さんが勧めるのは、煮込みうどんやリゾットのような“温かくて消化のよい食事”です。

「せっかくですからご当地の名物料理も味わってください。でも、胃腸が疲れたなと思ったら、意識してみて」

温かい蕎麦やうどんも、消化のよい食べものです。

「昼は蕎麦で済ませるという人は、具が少ないかけ蕎麦や、脂質の多い天ぷら蕎麦ではなく、野菜多めの肉蕎麦や、わかめ蕎麦、山菜蕎麦、きつね蕎麦など、ビタミンやミネラル、たんぱく質などが入ったものを選びましょう。よく噛んで、15分位かけて食べるのも、消化を助け、食べ過ぎを防ぐポイントです」

 

海外出張では、機内食を食べた方がいい理由

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国内出張は、移動に多少時間はかかったとしても時差はなく、食事の内容が大きく変わることもありません。しかし、海外出張となるとそうはいきません。慣れない食事と時差のダブルパンチに体調を崩すことも。

「海外では、日本人の胃には重たい食事が多いものです。海外遠征に行く選手に伝えているのは、可能な限り日本食を持っていくということ。フリーズドライの味噌汁や梅干しなど、軽くて持ち運びできるものや、お湯を注ぐだけでいいものを勧めています。胃が疲れたなと思ったら、こういったもので胃を休めてあげてください」

また、機内食の取り方にもポイントがあります。

「日本時間から外れた時間帯に出される機内食は、あまり食べる気がしないですよね。でも、到着地の食事時間に合わせて出されているので、少々ムリしても食べておくと現地時間に身体を合わせやすくなります。ただ、機内食はどうしても野菜が不足しがち。その対策として、選手には機内にサラダなどを持ち込んで機内食と一緒に食べるようにアドバイスしています」

くれぐれも「しばらく日本に帰れないから」と、空港の待ち時間にラーメンや寿司をお腹いっぱい食べないように! 万全の体調管理と時差ボケ対策で、海外出張を有意義なものにしてください。

石川三知(いしかわみち)

スポーツ栄養アドバイザー Office LAC-U代表 Body Refining Planner

病態栄養相談に携わった後、東京工業大学勤務を経て、スポーツ栄養指導を開始。これまでにサポートしたアスリートは、スピードスケート岡崎朋美選手、陸上男子短距離日本代表チーム、陸上短距離末續慎吾選手、サニブラウンハキーム選手、日本代表フェアリージャパン、全日本男子バレーボールチーム、フィギュアスケート荒川静香選手・髙橋大輔選手など多数。現在は、山梨学院大学陸上部、東海大仰星高校ラグビー部、プロサッカー選手、Jリーガー選手、競泳選手を始めとする多くのトップアスリートの栄養指導を行う。2010年~2014年、JOC強化スタッフ(医科学)就任。山梨学院大学スポーツ科学部兼任講師、八王子スポーツ整形外科栄養管理部門スタッフ、中央大学商学部兼任講師。著書には『トップアスリートに学ぶ「勝負食!」実践編』(講談社エディトリアル)、『21時以降に食べても太らない遅夜ごはん』(マイナビ)、『スポーツ選手のための食事400』(学研パブリック)、『脳を操る食事術』(SBクリエイティブ)など。

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編集:株式会社エアリーライム  ライター:鈴木理香子


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