【連載】脳力がUPする食事術 Vol.2 一流人は朝食を欠かさない!

 「アスリートもビジネスマンも、取るべき食事は一緒」。こう話すのはスポーツ栄養アドバイザーの石川三知さん。フィギュアスケートの荒川静香さんや髙橋大輔さん、短距離走の末續慎吾さんら多くのトップアスリートの栄養指導にあたってきた専門家に教わる、脳と体のコンディションUPにつながる食事術。今回は、朝食にフォーカスします。

朝ごはんで体に活動のスイッチを入れる

朝は忙しいから。ギリギリまで寝ていたいから。お腹が空かないから……。そういって朝食を取らない人は少なくありません。厚生労働省の平成29年「国民健康・栄養調査」によると、男性の15.0%、女性の10.2%が朝食を取っていません。年齢別でみると、男女共にその割合が最も高いのが20代で、30代・40代も高い値になっています。

前回も紹介したように、1日3食の中で仕事や雑事の影響を最も受けにくく、セルフコントロール、セルフマネジメントをしやすいのが朝食です。「その大事な朝食を、これだけ多くの人が抜いているのはとても残念」と石川さんは言います。

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「アスリートは、本番で最高のパフォーマンスを発揮するために、日ごろの食事がいかに大切かを実感していますから、今日の自分は何を食べればいいか、真剣に考えています。私は、日々の仕事ぶりが結果につながるビジネスパーソンこそ、毎日が本番なのではないかと思います。ハイペースで業務をテキパキ進めたり、集中してミスなく実務をこなしたりする人のほうが、組織の中で信頼が厚いものです。午前中は頭がよく回らないとか、午後にならないとエンジンがかからないと言っている間に、評価に差がついてしまっては困りますよね」

とくに、朝食には重要な役割があります。それは、「睡眠中に副交感神経優位だった状態を交感神経優位のモードに切り替えること。そしてこれからの活動のために、体温を上げるということ。それが体内時計を整えることにもつながり、睡眠の質にもいい影響がおよぶことを、アスリートたちにアドバイスしている」のだそうです。

そうはいっても朝が弱い、元から集中力が続かない。そんな言い訳が通らないのは、アスリートもビジネスパーソンも同じ。では、どうすればいいのでしょうか?

 

石川さんのおすすめは「目玉焼き丼」と「シリアルサンド」

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手軽でおいしい朝食の一例として紹介していただいたのは、「目玉焼き丼」と「シリアルサンド」の2品。

「いずれも、ワンプレートで炭水化物、たんぱく質、ビタミン、ミネラルがしっかり摂れ、頭を働かせるために必要とされる栄養素(カルシウムやマグネシウム、ビタミンBなど)が含まれています」。

 

●目玉焼き丼

どんぶりにご飯を軽くよそって、その上に炒めたキャベツと目玉焼きをのせるだけ。塩・こしょうや醤油でいただきます。ご飯を玄米や雑穀米にできればベターです。

●シリアルサンド

グラノーラとクリームチーズ、カッテージチーズ、ハチミツを混ぜて、食パンに挟むだけ。全粒粉の食パンにすれば、より腹持ちが良くなります。

「朝食が大事といっても、こだわる必要はありません。むしろ時間のない朝だからこそ、簡単に作れる持続可能なものがいい。少しずつレパートリーを増やすことで、楽しみも広がりますよ」

 

緊張に打ち勝つ! プレゼン当日に摂るべき食材とは?

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ビジネスパーソンがハイ・パフォーマンスを求められるシーンはいろいろあります。例えば、午前中に社運がかかるプレゼンがある日などは、何を食べたらいいのでしょうか。

「プレゼンのタイミングで頭の働きが万全に整うようにするために、まずは朝食を食べてしっかりと体も頭も起こしましょう。プレゼンまでにあらかた消化が終わっていたいので、低脂肪のたんぱく質を多く含む食品がおすすめです。炭水化物も、穀類(ご飯やパン)と果物など、いくつかを組み合わせて取りましょう」

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●いつも通りの体調なら

鮭や卵。とくに卵は目玉焼き、茹で卵、卵がけご飯など、いろいろと使えて便利な食材です。飲み物は紅茶がよいでしょう。

●緊張して食欲がない朝

朝から緊張して食欲が出ないときは、チーズナッツ類オレンジやグレープフルーツなどを。柑橘類には脳をリフレッシュさせる効果があり、水分補給を兼ねられます。

●お腹の調子がイマイチなら

プレゼンの本番が近づくほどに、緊張でお腹の調子が悪くなる人も少なくないと思います。そんな人は、一週間前からカルシウム多めを意識して、ジャコ干しエビの入ったふりかけをご飯にかけたり、ランチのときに切り干し大根の小鉢を加えるなどを。

●風邪かな?と思ったら

なんとなく風邪っぽくて熱が出そうというときには、果汁100%のオレンジジュースや、キウイフルーツなどビタミンCたっぷりのフルーツ、あるいはサプリメントでビタミンCを積極的に摂るのもいいでしょう。

食事は、できるだけ同じ時間に食べる

「毎朝食べることに加えて、できるだけ同じ時間帯に食べることも意識してほしいことです」実はこれ、プロに転向した陸上競技選手のサニブラウン・アブデル・ハキームさんに対して、石川さんがお願いした“約束”なのだとか。

「朝食に限ったことではありませんが、同じ時間に食事を取ることで、1日の体のリズムが整います。食べる時間がバラバラだと、体調もその影響を受けてなかなか安定しません。どんなトップアスリートだって、食欲のない日や、ダルい日、やる気が出ない日、いろいろあります。そんな時でも、少なくとも毎日同じ時間に、体に必要なものを少しでも口にする。不調を最小限にとどめ、ピークに向かっていけるような準備態勢を整えておくために、とても大切なことです」(石川さん)

朝食をしっかり取るための、前日の夜の食事は…

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朝は食欲がなくて食べられないという人は、前夜の食事が影響しているかもしれません。寝る前にドカ食いすれば、朝になっても消化しきれず、胃に食べものが残った状態になります。睡眠中も胃は消化のために活動しなければならず、結果的に眠りの質にも影響します。朝、食事をしっかり取るためには、なるべく寝る2時間前以降は食べないことが理想です。

「とはいえ、付き合いで遅くまで飲まざるを得ない日や、夕食が遅くなってしまう日はありますよね。かなり遅い食事になるときは、味噌汁甘酒などトロリとした飲みものにしておくといいですね。もう少し食べたいなら、ネギを刻んだかけうどんや、卵や豆腐入りのスープなど、胃腸に負担をかけないものにしましょう。出汁の香りは脳の働きを落ち着かせ、質の良い眠りをサポートしてくれます」

石川三知(いしかわみち)

スポーツ栄養アドバイザー Office LAC-U代表 Body Refining Planner

病態栄養相談に携わった後、東京工業大学勤務を経て、スポーツ栄養指導を開始。これまでにサポートしたアスリートは、スピードスケート岡崎朋美選手、陸上男子短距離日本代表チーム、陸上短距離末續慎吾選手、サニブラウン・アブデル・ハキーム選手、新体操日本代表フェアリージャパン、全日本男子バレーボールチーム、フィギュアスケート荒川静香選手・髙橋大輔選手など多数。現在は、山梨学院大学陸上部、東海大仰星高校ラグビー部、プロサッカー選手、Jリーガー選手、競泳選手を始めとする多くのトップアスリートの栄養指導を行う。2010年~2014年、JOC強化スタッフ(医科学)就任。八王子スポーツ整形外科栄養管理部門スタッフ、中央大学商学部兼任講師。著書には『トップアスリートに学ぶ「勝負食!」実践編』(講談社エディトリアル)、『21時以降に食べても太らない遅夜ごはん』(マイナビ)、『スポーツ選手のための食事400』(学研パブリック)、『脳を操る食事術』(SBクリエイティブ)など。

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編集:株式会社エアリーライム  ライター:鈴木理香子


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