服部先生がアラフォー世代に伝えたい「最善の食事」vol.2 バランスよく食べるためのシンプルな4つのコツ

人生100年時代。そのど真ん中でがんばるアラフォー世代にとって、いかに食べるかは重要なリスクマネジメントであり、その後の長い人生のQOLを左右する重大問題でもあります。「日本人の体質には和食が一番」と言うのは、日本を代表する料理研究家であり、服部栄養専門学校校長の服部幸應さん。人生で最も忙しい時期を生きるビジネスパーソンにとって最善の食事とは? 連載2回目は、不足しがちな栄養素を補うためには何をどう食べたらいいのかについての講義です。

——服部さんプロフィール

はっとり・ゆきお 1945年生まれ。東京都出身、立教大学卒。医学博士。学校法人服部学園理事長、服部栄養専門学校校長、公益社団法人全国調理師養成施設協会会長、一般社団法人全国料理学校協会会長、NPO日本食育インストラクター協会理事長。フランス大統領よりレジオン・ドヌール勲章受章。『服部幸應の日本人のための最善の食事』(日本能率協会マネジメントセンター)他著書多数。

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新型コロナウィルス対策のため、さまざまな方法で自分の身を守る自助努力が求められています。手洗い、うがい、入浴、質の良い睡眠…。その中でも私は、“自己免疫力を高める食事をすること”が基本中の基本だと思っています。健康な心身を保ってこそ、仕事のパフォーマンスは高まるというもの。忙しいビジネスパーソンにも実行可能な食べ方のコツを、4つご提案します。

 

コツ① ビジネスパーソンはとにかく魚を食べるべし!

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ビジネスランチの定番の、カレーやお蕎麦、牛丼などの、簡単に済ませることができる食事は、栄養バランスに偏りがあり、必要な栄養素が足りていません。そういう昼食を続ける人に多いのがこんな声。

「それなりに食べてエネルギーを補給しているはずなのに、なぜか頭が働かない。疲れやすいな」

もしかすると、「新型栄養失調」に陥っている可能性があります。これは無自覚のまま進む栄養失調状態のことで、多くは食の細くなった高齢者に起こりますが、中高年や若年層も油断はできません。

農林水産省が推奨する「食事バランスガイド」を覚えていますか? 1日当たりの食事バランスをコマに見立てて表現したもので、小中学校の家庭科の授業でもおなじみですよね。

index-2.jpg(引用元:農林水産省HP

これをもとに考えると、ごはん(中盛)4杯、野菜料理5皿、肉・魚・卵・大豆料理から3皿、牛乳なら1本、みかんなら2個を1日に食べる必要があることになります。中でも、1食は魚を食べてください。イワシやサンマ、アジなどの小型の回遊魚ならば有害物質の蓄積が比較的少なく、不飽和脂肪酸やEPA、DHAを豊富に含んでいますので、生活習慣病が気になる中高年はもちろん、仕事効率を上げたいビジネスパーソンには特にオススメです。

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 服部流・魚をおいしく食べるためのお手軽アイデア3つ

調理や後片付けが面倒で魚を食べないという人は、切り身や、内臓を取り除いた状態で売られたものを購入すれば手軽に食べられます。最近は電子レンジでも調理できる下処理済みの魚も売られていますので、ぜひ活用しましょう。

【お刺身】流水でさっと表面を洗います。刺身の生臭さが減り、おいしさもUP。

【焼き魚】焼く前に軽く塩をふると、魚の水分が抜け、身が引き締まっておいしく焼き上がります。

【煮魚】骨付きの切り身を選べば煮崩れ防止に。味付けはしょうゆ、みりん、砂糖を1:1:1のバランスで。仕上げにショウガを入れて魚の臭みを取り除きます。

コツ② 温野菜で食物繊維をたっぷり摂る

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前に述べた理想的な1日の食事に「野菜料理5皿」とあるのを見て、「えー、無理無理!」と思われた方もいるでしょう。でも大丈夫。鍋ものや煮物などの温野菜にすれば、ボリュームいっぱい食べられます。私は当学園で仕事している時、冬場のランチはいつもお鍋です。

生野菜のメリットは、酵素がたくさん摂れること。つまり、野菜が持つ栄養素をそのまま摂取ができるという点ですが、たくさんは食べられませんよね。ですから、生野菜と温野菜を組み合わせることが、必要量の野菜をしっかり食べるためのポイント。上手な食べ方は、生野菜「3」に対して、温野菜「7」の割合です。

服部流・温野菜を食べるためのお手軽アイデア

鍋料理の回数が減る夏場は、ブロッコリーやアスパラガス、なす、ほうれん草、じゃがいも、とうもろこし、かぼちゃなどに火入れして、ポン酢と一緒に食べると良いでしょう。ポン酢はカロリーが低く、疲労回復に良いクエン酸も摂れるので、お弁当にももってこい。会社の冷蔵庫にストックしておいて、温野菜を毎日ランチボックスに入れて持っていくだけ。野菜は茹でると栄養素が3割ほど流れてしまうので、電子レンジで調理がオススメです。

コツ③ 白米だけでなく、玄米や雑穀米も積極的に

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主食であるお米は私たちの食卓にとって欠かせない炭水化物ですが、たまには玄米や雑穀を混ぜて、栄養価の高い食事にするのもパフォーマンスを上げるコツです。

玄米にはビタミンや、ミネラル、食物繊維が豊富。

雑穀米は、白米に玄米・粟・きび・ひえ・黒米・赤米・はと麦・大麦・キヌアなどの雑穀を混ぜた配合によって栄養価に差はありますが、一般的にカルシウムやミネラルなどを補うことができます。

もち麦や押麦などの大麦に含まれる食物繊維は、精米の約20倍、玄米の約3倍ともいわれていて、腸内環境も良くしてくれます。

毎日食べるお米。たまには玄米に変えたり、雑穀米を混ぜたり、プラスαの工夫をしてみましょう。

ちなみに、炭水化物抜きダイエットは良くありません。脳の唯一の栄養源であるブドウ糖の補給が不足することで集中力も落ち、仕事のパフォーマンスに悪い影響を及ぼします。厚労省が示す3大栄養素の理想的バランスでも、炭水化物6割、脂質2.5割、タンパク質1.5割とされています。お米はしっかり食べましょう。

コツ④ 1日1回は一汁三菜

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最後に、和食の基本的な食べ方「一汁三菜」についてご紹介しておきたいと思います。これは本当によくできているなと感心します。

ご存知のとおり、主食、汁もの、それに三菜(主菜1品、副菜2品)を組み合わせるものですが、体に必要な「エネルギーになるもの」「体をつくるもの」「体の調子を整えるもの」という3つの栄養素をバランスよく摂ることができます。

毎食守る必要はありません。1日の中の1食を一汁三菜にするだけでも十分です。大事なのは、続けること。副菜は、数種類の生野菜を盛り合わせたサラダでもいいのです。一汁三菜の考え方は、栄養学的な面にとどまらず、食卓の見た目も整い、食欲が増進するというメリットもあります。

食材や調理法、味つけが偏らないように少しに意識してみましょう。それだけで、栄養や彩りにおいてバランスの取れた食卓になりますよ。

忙しい日々の中で、毎食、完璧な食事を摂ることは難しいですが、小さな工夫を積み重ねながら、習慣にしていきましょう。できそうなことから取り入れてみてください。

最終回となる次回は、皆さんから多く寄せられる、食事に対する疑問にお答えします。

編集:株式会社エアリーライム 談:服部幸應 ライター:大崎百紀 カメラ:安部まゆみ


服部先生がアラフォー世代に伝えたい「最善の食事」vol.1

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