服部先生がアラフォー世代に伝えたい「最善の食事」vol.1 今こそ、日々の食事に対する意識の変革を

人生100年時代。そのど真ん中でがんばるアラフォー世代にとって、いかに食べるかは重要なリスクマネジメントであり、その後の長い人生のQOLを左右する重大問題でもあります。「日本人の体質には和食が一番」と言うのは、日本を代表する料理研究家であり、服部栄養専門学校校長の服部幸應さん。食の欧米化が進む現代、人生で最も忙しい時期を生きるビジネスパーソンにとっての最善の食事について、講義していただきます。

 

―― 教えてくれる人 服部幸應さん

はっとり・ゆきお 1945年生まれ。東京都出身、立教大学卒。医学博士。学校法人服部学園理事長、服部栄養専門学校校長、公益社団法人全国調理師養成施設協会会長、一般社団法人全国料理学校協会会長、NPO日本食育インストラクター協会理事長。フランス大統領よりレジオン・ドヌール勲章受章。『服部幸應の日本人のための最善の食事』(日本能率協会マネジメントセンター)他著書多数。

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新型コロナウイルスの猛威が、私たちの暮らしを大きく変えました。極力家から外出せず、三度の食事を家庭で食べる。有効な薬や治療法が開発されるまで、私たちの頼みの綱は自分自身の免疫力です。

「食」という文字は、「人を良くする」と書きます。何を食べるかだけでなく、誰とどんな環境で食べるのか。それは子どもだけでなく、大人になっても大事なことです。

私が長く国へ働きかけてきた、食べ方の基本ともいえる「食育」の大切さは2005年6月、「食育基本法」の誕生で実を結びました。ご存知の方も多いと思います。私は、この「食育」を、学校教育の現場にとどめるのではなく、社会人や高齢者にも広めて、どの年代の人にも食を通して人生を育み、豊かな人生を送っていただきたいと思います。

30~40代のまさに働き盛りの皆さんには、この自粛要請という人生でおそらく二度とない時間を、日々の食事に対する意識を変えるチャンスとしていただきたい。ひとつひとつお話していきましょう。

 

1日3食、割合は「朝4・昼3・夜3」が理想

「武士は食わねど高楊枝」の侍の時代が終わり、1日3食が推奨されて80年。中には1日1~2食の人もいるかもしれませんが、私は、栄養学校の校長としてそれはおすすめいたしません。

睡眠中に消費したエネルギーを朝食で補給して、朝からの活動をトップギアに入れる。そのための朝食は必要不可欠です。決まった時間に起床して、朝食をとって体内時計をリセットしましょう。朝食後5~6時間もすれば摂取した栄養が使い切られますから、昼食もしっかりとる必要があります。夕食が必要なのは、不足している栄養素を取り入れるためだけでなく、良質な睡眠をとるためでもあります。

1日に摂取する食事の合計を10とすれば、3食の摂取割合は「朝4、昼3、夕3」が理想です。午後に間食をする習慣がある人は、昼を「2」にしてもいいでしょう。

服部流、40年来の朝和食

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朝食を「4」にするからには、これが1日のメインの食事です。私のおすすめは「服部流、朝和食」。ごはん、野菜や海藻、豆腐などの具だくさんの味噌汁、野菜中心の和風のおかず、のり、納豆、卵、焼き魚に、旬の果物といったラインナップ。どうでしょうか。余計な糖分や油脂類がほとんどなく、栄養素たっぷり。朝からパフォーマンスが上がること間違いありません。

私はこの40年間ずっとこの和朝食です。そのおかげか、メディア出演や取材、学校行事、業界人との打ち合わせなどなど…日々めまぐるしいスケジュールをこなしていますが、集中力が切れることはなく、フル活動です。

「こんなに朝から準備できない!」という方は、おにぎり1個に、ゆで卵1個でもいいので、お腹に入れてください。おにぎりは脳のエネルギー源になりますし、卵は必須アミノ酸をすべて含む「アミノ酸スコア100」の食品です。非常にバランス良くアミノ酸が含まれており、最も良質なたんぱく質食品のひとつです。

昼食の「ながら食べ」厳禁! 食後は10分間のウォーキングを

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「緊急事態宣言」の下、多くの人が在宅勤務となり、自宅での作業でしょう。そこで今すぐやめていただきたいのが昼食の「ながら食べ」。この記事も、スナック片手に読んでいませんか?

パソコンやスマホを操作しながら、あるいはテレビを見ながらの「ながら食べ」は、マナーも悪いですし、体にいいことは何一つありません。咀嚼回数が減り、消化不良の原因になりかねないうえ、唾液の量が少なくなれば口腔環境にも悪影響。満腹中枢が働きにくくなり過食に繋がります。仕事の合間の休憩タイムでもある昼食は、家族と食べるなどリラックスしながら食べませんか。

外食の場合は、糖質が多い「がっつりランチ」はなるべく避けて、選べるのなら白米より玄米や雑穀米を。タンパク質や食物繊維、ビタミンをバランスよくとれるようなものを選んでください。食物繊維が豊富な野菜はキャベツやレタス、大根、玉ねぎ。人参やホウレンソウ、カボチャにはビタミンが豊富です。これらは脂質や糖質の吸収を緩やかにしますので、昼食にこれらを積極的に摂ることで、食後の血糖値の上昇を抑えることができます。

昼食後に10分間ウォーキングをするのも有効です。眠気に襲われず、午後の仕事の能率も上がります。外食したお店から職場や自宅に戻る帰り道を早歩きする。これだけでも十分です。大事なのはそれを習慣化することです。

今ならできる、就寝3時間前までの夕食、そしてお酒のこと

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夕食のマネジメントも紹介します。胃の消化活動は個体差があり、早くて3時間、遅ければ5時間かかると言われています。就寝3時間前には済ませましょう。

平時の職場では、残業などで遅くなると決まった時には、あらかじめチーズやヨーグルトなどの乳製品を間食に摂っておきましょう。そして遅めの夕食は、低脂肪で消化に良いものにとどめます。揚げものは翌日の昼まで我慢です。

仕事の後は「やっぱりお酒を飲みたい」という人も多いでしょう。適量であれば、もちろん飲んでOKですよ。胃の働きを促して消化を良くしたり、血行を良くしたりなどの効能があります。

おつまみには枝豆や冷ややっこ、納豆などがおすすめです。肝臓の働きを活発にする働きのある「タウリン」が豊富な魚介類も良いでしょう。飲んだ後は、アルコール分解を助ける効果のある果物を。果汁100%のオレンジジュースを飲むのでもよいでしょう。

ざっと紹介しましたが、朝から夜までちょっとした食の心がけで、仕事のパフォーマンスはうんと変わります。次回はその具体的な内容と食べ方をお話します。

編集:株式会社エアリーライム 談:服部幸應 ライター:大崎百紀 カメラ:安部まゆみ

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