気まずいビジネスシーンをスカッと“換気”する話し方 Vol.2<目的の定め方>

現代のビジネスパーソンにとって、コミュニケーション力は「生き抜くための武器」。その切れ味が試されるのが「気まずい瞬間」です。

謝る、断る、会話が盛り上がらない…。気が重くなるシチュエーションこそ腕の見せどころ。ポジティブなコミュニケーションのコツをまとめた著書が人気の放送作家・PRコンサルタントの野呂エイシロウさんに、どんよりした空気をスカッと“換気”し、その後の仕事をスムーズに進めるポイントを聞く2回目。今回は、目的を定めたコミュニケーションの重要性についてのお話です。

第一回目:気まずいビジネスシーンをスカッと“換気”する話し方 Vol.1<謝り方>

――野呂さんプロフィール

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放送作家・戦略的PRコンサルタント。1967年愛知県生まれ。雑誌編集者を経て「天才・たけしの元気が出るテレビ」で放送作家デビュー。「特命リサーチ200X」「鉄腕! DA SH!!」「奇跡体験アンビリバボー」などの構成を務める。30歳の時から戦略的PRコンサルタント業を開始。現在までに、マッチ・ドットコム、ギルト・グループ、GROUPON、Expedia、ビズリーチ、ライフネット生命、ソフトバンクモバイルなど150社以上の広報戦略に携わる。『話の面白い人の法則』(アスコム)など多数のビジネス書を出版。

その謝罪、目的はありますか?

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前回紹介した通り、謝ることもコミュニケーションのひとつ。ミスをしてしまった時にはまず謝ることが最優先なのですが、無心で頭を下げるだけではもったいない、と野呂さんは言います。

「ただ許してもらうためだけに謝るのは、初級編。せっかく謝るのなら、きちんと目的を持って謝る方がいいですね。例えば、『同じトラブルを二度と起こさない』という目的を持てば、謝罪の言葉の後には再発防止策が続くはずです。『このトラブルをビジネスチャンスに変える』が目的なら、“プランB”を提案して、どうにか次の仕事に繋げようとするでしょう。ミスしたら、生じさせてしまったマイナスをプラスに変える方法を真剣に考え、目的を持って謝る。それが本当に上手い謝り方です。上手くいけば、自分の気分もスカッとしますよ」

目的があれば遅刻も「アリ」

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謝罪の場面に限らず、ビジネス上のコミュニケーションは、「何のために」という目的意識をしっかり持てば、どう行動すれば良いかが見えてきます。目的次第では、普段ならNGの遅刻が「アリ」になる場合もあるそう。

「会食相手から『遅れそう』と連絡があったら、たとえ自分は10分前に着きそうでも『あ~、良かった!実は、私も今向かっているんですけど、遅れそうなんです。どうぞ、ゆっくり来てください』と伝えて、どこかでお茶でもしていますね。そして相手より少し遅れて店に入る。こういう遅刻は、アリです。その方が、その後の会話も弾みます」

そのココロは、相手の気持ちに対する想像力。もし、自分が待ち合わせに遅れる側になったとして、相手が席にどっかり座ってじっと待ち構えていたら…。とても気まずいし、居心地も良くないですよね。

「会食の目的は、楽しく食事をして、相手と良い関係を築くこと。相手をイヤな気分にすることではないです。だとすれば、こちらも遅刻することで立場を下に置き、相手に『待たせてしまった』という後ろめたさを感じさせない方がいい。相手が気まずさを感じるシチュエーションでも、こちらの行動次第で、いい空気に“換気”することができます」

じ~っと待ち、にっこり笑って出迎えるというのは、まだまだ若輩者のすることのようです。

雑談力は仮説力

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取引先で、本題に入る前の世間話がどうも盛り上がらない――。

誰でも一度は経験したことのある気まずいシチュエーションですが、雑談を盛り上げたいときにも、何が目的なのかを考えてみることが大切だと野呂さんは言います。

「ビジネスに限らず、日ごろの人間関係でも、人は相手と共通点が見つかると嬉しいし、話が盛り上がります。話を盛り上げるために、いろいろな質問をして共通点を探すわけですが、たとえば『血液型は何型ですか?』『ご趣味は?』なんて聞かれると、まるで詰問されているみたいで、ちょっとイラッとすると思いませんか?

取引先と雑談をする目的は、話を盛り上げて本題の商談にうまく繋げることや、相手に自分を気に入ってもらうこと。そう考えると、僕は逆に『質問をしないこと』が大事だと思います」

「血液型は何型ですか?」のようなストレートな質問は、会話の目的が「個人情報を集めること」なら正解ですが、ビジネス上の雑談としては目的からズレていて、話の糸口としては不十分。ストレートな質問の代わりに、野呂さんは、相手に対する「仮説」を立てているのだそう。

「僕が血液型をきっかけに会話をするなら、『この人は几帳面そうだからA型かな』と仮説を立てて、『A型ですよね?』と聞きます。

もしB型でも、『いえ、私はB型なんです』『そうなんですか。細かなことにも目を配られていらっしゃるのでA型かと思いました』と会話が続くし、相手をさりげなく褒めることもできます。

趣味なら、『この人は背が高いからスポーツが得意そうだな』と仮説を立てて、『何かスポーツをやってらっしゃいますよね?』と聞いてみる。

そうすると『バレーボールをやっていました』『やっぱり! 活発な感じが伝わってきたので、そうかなと思ったんです』というふうに、会話を続けられるわけです」

会話のキャッチボールを続けるためには、「仮説」という相手が投げ返したくなる球を投げてあげる。それが野呂さん流なのです。

「エベレスト登頂」を目的にしない

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仮説がたとえネガティブなものでも、聞き方次第で雑談のタネにすることができるそう。

「この人は短気そうだな、と仮説を立てたとして、『怒りっぽいですか?』と聞く人はいません。でも、『怒ったことがなさそうですよね?』と裏返して聞くと『そんなことないです!よく怒ってますよ』と会話の糸口になります。話しているうちに本当に短気な性格だと分かったら、その後の付き合い方も気をつけることができますよね」

このように、気まずくなりがちな場面も、「何が目的か」を明確にすることで、上手に乗り越えられるようになります。とはいえ、目的が遠すぎるのも考えものです。

「初めて会う人なのに『大きな商談をまとめる』を目的に雑談をするのは、これから高尾山に登る人が『目的はエベレスト登頂』と言うようなもの。まずは『次回の約束を取り付ける』ぐらいの目的でいいと思います」

たとえ会話が続かなくても、「今は盛り上がってないけど、これから盛り上がるんだろうな」「問いかけに答えてくれているうちは大丈夫だな」と焦らず、一歩ずつ距離を縮めていきましょう。

次回は、何事も全て「自分のせい」にすることの効用を伺います。

編集:株式会社エアリーライム ライター:丸山こずえ

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