【連載】そろそろ気になる親のことvol.5

「親のいまの健康状態は? 介護を遠ざけるため知っておくこと」

10年後の親と自分のこと、ちょっとだけ考えてみませんか?

毎日を忙しく過ごしている30代、40代のビジネスマン・ビジネスウーマンに「親のもしもにゆる~く備えるコツ・子世代がもつべきほんの少しの知識と心構え」を、現役の介護者でもある生前整理アドバイザーがお伝えします。

誰でも歳を重ねると不安になりがちですが、ちょっとした家族の気づきとサポートで、親は元気と自信を取り戻します。親がいつまでもイキイキしていられる、それは家族にとってもうれしいことです。ご家族が長く幸せでいられますように。

 

なかなか気づきにくい、親の本当の健康状態 

親に会う機会は何回もあったのに、「まだまだ元気そうに見えた」「具合が悪いなんて聞いていなかった」と、嘆く介護世代は多くいます。

短期間なら親も周囲に辛い様子を見せないで頑張れます。健康不安や病気のことなどで子に心配をかけたくないという親心……、でも実は、後で疲れが出て寝込んでいた、という話も聞きます。

また、「元気だから健康診断は受けなくて大丈夫」(→本当は診断結果が怖い)、「少しぐらい調子が悪くても病院へは行かない」(→自力で治せる)、という事例はありがち。

「大丈夫、心配ないよ」と言う裏には、親本人が自分の衰えに気づいていない場合、または気づいていても認めたくない思いが隠れている場合もあるのでご注意を。

適切なサポートやケアをすることで、親の健康寿命は延ばすことができます。

「低栄養」への対策を! 健康寿命を食生活から支えよう

親に、体重が減ってきた・疲れやすくなった・風邪をひきやすくなった、などの変化が見られても、特に病気でなければ「歳のせい」と片付けてしまいがちです。

でも放置したままだと、だんだん食欲が落ちて、皮膚はカサカサ、抜け毛が増えて、ボーっとしたり、ふらふらしたり……。これが、今、意外と多い「低栄養*」のリスク!

まずは食生活のバロメーター、親の冷蔵庫をのぞいてみましょう。

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買い物が億劫? 調理が面倒? 賞味期限は? 食事量は? 栄養バランスは?

離れて暮らしていて、買い物や調理の手伝いができなくても、生協やネットスーパーを利用しての買い物サポートはできます。 調理するだけの食材宅配やバランスの取れた弁当の宅配利用も提案してみてください。また、親との会食の場を定期的にセッティングすれば、親の健康チェックと同時に、家族のコミュニケーションもとれ、親の楽しみもできて一石三鳥! 食は健康の基盤、食生活が整うだけで、ツヤツヤと元気になられる方が、たくさんいらっしゃいます。

*「低栄養」とは食事量が減り、身体を動かすために必要なエネルギーや筋肉や皮膚、内臓などをつくるたんぱく質が不足した状態をいいます。気力・体力・免疫力が低下するだけでなく、放置すると、虚弱状態「フレイル」につながりやすいといわれています。

家庭内環境を整え、ヒートショックや熱中症を防ぐ

寒い時期に心配なのがヒートショック。ひとり暮らしの高齢の親がいると気が気ではありませんね。熱いお風呂と冷えた脱衣所、寝室の布団の中と夜のトイレなどの温度差をできるだけ少なくするようにしてあげてください。身体への負担が減ります。

浴室暖房設備を設置するのは大変ですが、安全な暖房器具を夜間タイマー設定にするなどの工夫をして使えばコストはあまりかかりません。

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夏は熱中症対策も必要。親世代には「エアコンは嫌い」「電気代がかかる」という人が多くいますが、高齢になると暑さ寒さを感じにくく、また体温調節もしにくくなるといいます。「本人の自覚がないうちに事故は起こる」ことを常に伝え、適切な冷房利用を促しましょう。大きな文字のデジタル温度計を目のつくところに置くのもよい方法。

友人のお父さまは、熱中症で倒れた経験があります(当時70代)。以来友人は毎夏、実家にスポーツドリンクやお茶などのペットボトルの詰め合わせを「お中元」と称して大量に送っているそうです。愛ある警告、グッドアイディア!

 

要介護の原因、「ロコモティブシンドローム」を遠ざけるために

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「どっこいしょ」と、立ち上がる時テーブルに手をついていませんか?

家具を伝って室内を歩いている、玄関段差横の壁に手あかがついている、布団が敷きっぱなしになっている、背中や腰が丸く曲がって痛がる、など身体機能低下の兆候があったら、見過ごさないで。「痛いから」と身体を動かさなくなると、ロコモティブシンドローム(ロコモ:運動器症候群)の心配が出てきます。

ロコモとは、加齢に伴う筋力の低下や関節や脊椎の病気、骨粗しょう症などにより運動器の機能が衰えて、要介護や寝たきりリスクの高い状態のこと。

早期発見できれば大丈夫。意識して適度な運動を心がければ、まだまだ間に合います。

地域で楽しく参加できる介護予防プラグラムはありませんか? 励ますだけでなく、具体的に旅行やお出かけなど目標を設定したら、自ら頑張ってくれるかもしれませんね。もちろん、必要があれば医療機関で診てもらいましょう。

 

「はじめましょう、ロコトレ」

https://patients.eisai.jp/osteoporosis/rocomo.html

  

<今日からできるワンポイント>

親の「健康」について気になることがあれば、病状やかかりつけ医、飲んでいる薬など、できるだけ様子を聞いておきましょう。親の「健康」を心配するのは、家族としてごく自然なこと。急な事態に備えて、医療関係書類(保険証・診察券)の保管場所を確認しておいてください。お薬手帳も情報の宝庫、写メしておくと後々役に立ちます。

やがては入通院の付き添い、万一の時にはあなたが親の緊急手術の承諾書を書く場面が訪れるかもしれません。

文:村上充恵(むらかみ・みつえ)

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プロフィール: ル・リアン横浜代表。生前整理普及協会アドバイザー認定指導員、ハッピーエンディングプランナー。 自身が介護と実家の片づけに直面したのを機に生前整理を学び始めた 。 生前整理 関連の セミナ ー 、認定講座 、 イベント を開催 するほか、 大手 不動産 相談 窓口 で 生前整理 の 個別相談 を 担当中。 親の生前整理 を控えた現役世代のための 企業内 勉強会 講師 も 積極的 に 務 め て いる。 親のもしもに備 える知識と実践ポイントを現役の介護者目線で発信するアドバイスブログ「もしおや~親のもしもに生前整理で備える~」 好評 更新中 。もしおや.jp で検索。

編集:株式会社エアリーライム

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