仕事や勉強に集中できるのは「無音の部屋」と「音が流れる部屋」のどっち?

「あれ? 私、原稿書いていたはずじゃなかったっけ?」

Twitterで新着ツイートを確認し、YouTubeで動画を閲覧した後、フリマアプリでショップを徘徊して、ハッと我に返る。

こんな風に仕事や勉強に集中していたつもりが、関係ないことを始めていたなんてことありますよね。あらゆる誘惑を断ち切るために音楽を流してみるけれど、本当は無音の方が集中できるのでは? それとも音が流れている方が集中できるの?

集中力を維持できたら、もっと有意義に時間を使えるのに……。というわけで今回、最も集中力が高まる音を調査してみました!

無音・クラシック・カフェの環境音etc. 5種類の音で調査を実施

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やってきたのは、あらゆる音楽を思う存分流せるカラオケボックス。

ここで以下5種類の音を順番に流しながら、紙に書かれた100桁の数字を暗記します。※音ごとに別々の数字が書かれた紙を用意しています。

1.無音

2.クラシック音楽

3.カフェの環境音

4.プロの歌声

5.歌の苦手な素人の歌声

集中力が高まり一番多くの数字を暗記できるのは、どの音を流したときなのかを検証。制限時間はそれぞれ3分間。早速、調査していきましょう。

検証1:ひたすら目の前の数字に向き合う無音の空間

まずは「無音」の環境から検証します。カラオケ機器の音を消し、さらにイヤフォンを耳栓代わりにつけて一切の音を遮断します。なお防音設備の整った個室とは言え、他のお客さんの歌声が漏れてくることも考えられるので、開店直後のお客さんが少ない時間帯に実施しています。それでは暗記スタート!

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――3分後。

「はみごしれいなしむにはごい…」(835407462851…)

数字をノートに繰り返し書きながら、即席の当て字で必死に覚えます。正直なところ、暗記1分後には「15桁以降の数字はもう捨てよう」と企画の根底を軽々と覆すことを決意しました。

結果は13桁の暗記に成功。学生の頃、明治維新以降の歴史が覚えられなかった私にしてみれば健闘した方です。この数字を基準に調査を進めていきます。

検証2:クラシックを流すと緊張が走り、神経が研ぎ澄まされる

続いては、優雅な「クラシック音楽」が流れる環境。普段あまりクラシックを耳にすることがないので、自然と緊張が走り姿勢が正されます。それでは、暗記スタート!

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――3分後。

結果は20桁の暗記に成功。オーケストラの美しい演奏が流れる空間は、普段作業をする部屋とはかけ離れた環境。自分が少し高尚な人間になったのかと錯覚しました。非現実的な世界観を演出できたことで、気が引き締まり暗記に集中できた気がします。

検証3:カフェの環境音はリラックスできるはずだか、実際は?

次は作業音を提供するウェブサービスで、カフェの環境音を流して検証。心地良いくらいの環境音は集中力を上げる、なんて話を巷でよく聞きますよね。早速、暗記スタート!

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――3分後。

結果は8桁の暗記に成功。クラシック音楽よりも、暗記できた数が減っています。普段カフェで仕事をしているので、カフェの環境音が流れた途端「馴染みのある場所」と脳が錯覚し、リラックスしてしまったのかもしれません。頭の中にはTwitterアイコンの青い鳥さんが浮かんでいました。

検証4:プロ歌手の安定した歌は、脳がほどよくリラックスする

続いて検証するのは、生歌が流れる環境。例えば、プロの歌を聴きながら作業をすれば、感動や高揚感が集中力に繋がるかもしれない……。そんな妄想を現実にすべく、お二方にご協力いただきました。

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1人目は、筆者の知り合いの中で一番歌が上手い笹本梨紗(ささもとりさ)さん。音楽グループ「USAXA!」のメインボーカルで、ソロ活動もしているプロの歌手です。

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梨沙さんが選んだのは、シンディ・ローパーの「Time After Time」。それでは歌っていただきましょう!

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――3分後。

気持ちよく歌う梨紗さんの隣で、一心不乱に数字を書き続ける筆者。まるで何かの風刺画のような絵面に。

結果……18桁の暗記に成功! 歌唱が安定しているのですっと耳に入り、ほどよくリラックスできました。隣で歌っているので迫力はありますが、意外と気になりませんでした。

検証5:歌の苦手な素人の歌声は集中力を妨げるのか?それとも意外な力が発揮される⁉︎

プロの歌声と比較するために、歌の苦手な素人の歌声でも検証します。

協力してくれたのは「スティーヴィー・ワンダーみたいに歌が上手かったら、今頃俺は世界を股にかけていた」とたまに言う、高山洋平さん。どんなシリアスな曲もコミカルに歌い上げる類稀なる才能の持ち主です。

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高山さんが選んだのは、中国映画の主題歌「男兒當自強(ナン ジー トォン ジー カー)」。何でも十八番なのだそう。微かな希望を胸に、祈るような気持ちで暗記スタート!

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――3分後。

自由奔放な音程に、強制的に意識が持っていかれる……。集中しようともがいても、高山さんの歌声が頭の中にチラつき全然数字が入ってこない。苦闘の末、記憶できた数字は10桁。

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ノートには、とっても無邪気な歌のエネルギーに負けないようにと強い筆圧で書きなぐった数字の羅列。まるで、悪魔に魂を乗っ取られた人間が最後に残したメッセージのようです。

比較してみると意外な結果に……

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これにて検証は終了。

結果はこうなりました。

1位:クラシック音楽(20桁)

2位:プロの歌声(18桁)

3位:無音(13桁)

4位:歌の苦手な素人の歌声(10桁)

5位:カフェの環境音(8桁)

比較してみると、クラシック音楽が一番集中して暗記できたという結果に。最下位のカフェの環境音とクラシック音楽では12桁もの差が生まれ、驚きました。

検証前は、カフェの環境音が一番集中できると予想していました。しかし私の場合は、普段の慣れ親しんだ環境下に身を置くといつもの習慣でなまけてしまうようです。

自分が一番集中できる音を見つけてみてね

集中力と緊張感の間には、何らかの相関関係があるのかもしれません。一つの結論としては、無音よりはクラシックやプロミュージシャンの音楽が流れる環境のほうが、適度に集中力が上がるといえそうです。

ただ、今回の結果はあくまで筆者の個人的な体験に基づくものです。読者のみなさんも、自分自身が集中できる環境をあれこれ探してみてください!

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取材・文:いちじく舞 編集:水上歩美(ノオト) 撮影:井上依子

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