NYセレブに学ぶ、自分をプロデュースするスキル

「ヘルスリテラシー」という言葉をご存知ですか?

自分の身体を複数の視点から捉え、健康に関する正しい情報を入手して、よりよい意思決定をするためのスキルのことを言います。ニューヨークで、セレブや富裕層たちのハイ・パフォーマンスの秘密を取材してきた医師・中村康宏さんに、健康的に活躍するためのセルフ・プロデュース最前線についてお聞きしました。

セントラルパーク・プレイスで見た、最新のライフスタイル

アル・パチーノやゴールディ・ホーン、カート・ラッセル夫妻などが住む高級マンション、セントラルパーク・プレイス。日本で内科医として働いていた中村さんが、多少のムリをしてでもここに移住したのは、セレブたちがどんな暮らしをし、いかにして健康を保っているのかを間近で観察するためだったそうです。

ジムやヨガ、プールのクラスやホームパーティなどで交流を深めた中村さんが目の当たりにしたものとは?

「ニューヨークで出会ったセレブたちは、誰にも知られていない特別な秘策を知っていて、こっそり実践しているわけではありませんでした。ひたすらコツコツと、健康のために必要なことをルーティン化して、ベストな体調を維持していたのです。彼らは、身体への一番の投資は、『病気になる前にケアすること』だと認識しています」

健康維持に対してまじめで貪欲、そして効率よく最大限の結果を得ようとするセレブ達の姿を見て、「いずれ日本もこんな時代が来ると感じた」と言います。

GettyImages-521992829s.jpg

自分の健康は、自分のヘルスリテラシーで守ろう

人生100年時代がやって来るといわれる現代。日本のビジネスパーソンも、ヘルスリテラシーを身につけるべきと中村さん。

「現代は、食生活の変化や長時間のデスクワークによる運動不足、デジタル社会における新しいタイプのストレスなど、以前とは違うリスクファクターが増えています。一方で退職年齢が上がり、以前より長く現役で活躍しなければならない時代。健康であり続けるためには、今の自分にとって何が必要で何が不要なのか、情報を精査する能力=ヘルスリテラシーが必要になっていくでしょう」

GettyImages-475449784s.jpg

例えば、『日本人はカルシウムが不足している』というのは平均値の話で、個々にはカルシウムが十分足りている人もいます。カルシウムが多い食品である牛乳1つでも、メリットとデメリットのどちらが大きいかは、人によって違うもの。

「リテラシーとは日本語で『能力』を意味します。知っている・知らないの情報量ではなく、大事なのは、情報を使いこなし、それを自分の健康に応用できるかどうかです」

すなわち、「自分の主な問題は何か」「自分は何をする必要があるか」そして「そうすることがなぜ重要なのか」を理解し、正しい情報を持ち、行動に移せること。それが、本当にヘルスリテラシーが高い人だと中村さんは言います。

NYセレブの行動には「効率」に基づいたパターンがある

各界の第一線で活躍している多忙なNYセレブたちが取っている行動には、効率よく最大の効果を得るための合理的なパターンがあるのだそうです。その代表的なものを紹介していただきました。

  • 超ワンパターンの朝食を食べる

GettyImages-1090510706s.jpg

朝に取るべき「たんぱく質」「食物繊維」「炭水化物(糖質)」を含む食材を厳選して、バランスよく食べる。例えば「ナッツと炒った小魚にアボカドマヨネーズをかけたもの」や「プレーンヨーグルトにマヌカハニーと青汁パウダーをかけたもの」など、同じものを何十年も食べ続けている人が多いのだとか。

食事を楽しむのはランチか夕食。朝起きてから仕事に行くまでは、朝食に何を食べるべきかなど考えることをなるべく減らし、雑念を排除して、これからのパフォーマンスに臨みます。

ちなみに、中村さんの朝食の定番は、「米+納豆+卵+かつお節+青汁パウダーまたはめかぶ」とのこと。

  • 腸内細菌はこまめに育てる

大腸に生息する腸内細菌が健康維持に大きく関わるということは、ニューヨークでも共通認識。「腸内細菌を育てるには、とにかく食物繊維」というのが常識となっており、食事やサプリメントで食物繊維を積極的に取ります。

ヨーグルトなどに含まれる善玉菌は、腸に届いたときに有益な働きをしてくれますが、腸内に住み着くことはないと言われています。善玉菌を増やすには、日々地道に食物繊維で育てるという意識が大切です。

  • 運動プラスαの目的を持ってジムに行く

ニューヨークでは、健康に気を遣い、エクササイズを欠かさない人ほど仕事ができる傾向が高いとされています。忙しいビジネスパーソンほど、ジムでは「ながら」族。ウォーキングをしながら動画や映画を見る人もいれば、仲間と仕事の話をする人もいます。ジムはハイ・パフォーマンスを誇るさまざまな職種の人たちのフラットな出会いの場として活用されているのです。

GettyImages-1097789516s.jpg

  • 坐骨で座る

「姿勢はその人の社会的地位を表す」というのもニューヨーカーの常識で、仕事ができる人ほど姿勢がきれい。実際に猫背は、呼吸が浅くなって交感神経が優位の状態が続き、副交感神経が支配している胃腸の働きが悪くなったり、体にゆがみが生じてどこかに痛みを抱えたりと、不調の原因に。

そこで中村さんが勧めるのが、ニューヨークのジムで必ず教えられたという「坐骨座り」です。やり方はとても簡単。イスに座り、お尻の肉を左右によけると坐骨がイスに当たるので、坐骨で上半身を支えるように意識する。これだけで、骨盤が後傾せず、背筋がシャッキリ伸び、抗重力筋が鍛えられます。

忙しくてなかなかジムに行けないという人は、この坐骨座りを意識してみるといいそうです。

  • 体内時計のリズムに沿った生活を送る

朝が来ると自然に血圧や心拍数が上がり始め、朝食を食べれば体温が上がって日中の活動への準備がスタートする。夜には体温が下がり、眠りにつく。こうした自然のリズムに沿った行動を意識してみましょう。

また、エクササイズにも適したタイムゾーンがあります。例えば「ストレッチ」は、目覚めたときに行うと、眠っている間に水分が不足してこわばった筋肉が柔軟性を取り戻し、朝から軽やかに動きやすくなります。

ウォーキングなどの「有酸素運動」は、朝に行うと新陳代謝を高める効果が期待できます。朝の通勤時間に積極的に歩きましょう。

日中はバランストレーニングがおすすめです。デスクワークで集中力が途切れたときに、片足立ちやつま先立ちなどのバランストレーニングを行えば、血流が促されて疲れが回復しやすくなります。また、オフィスからコンビニまで買い物に行くのも、立派なウォーキングです。

寝る前には、ストレッチで身体をほぐし、呼吸を整えると眠りやすいでしょう。

「ヘルスリテラシーの観点からも、睡眠の重要性や体内時計に関する有益な情報はここ数年でかなり増えており、積極的にアクセスしたいもの。まずは、眠る時間をなるべく一定に決め、朝食を食べることから始めてみてください」

■中村康宏 (なかむら やすひろ)

虎の門中村康宏クリニック院長。関西医科大学卒業後、国家公務員共済組合連合会虎の門病院に入職。内科医・消化器内科医として勤務後、アメリカの最先端予防医学を学ぶため、米国医師免許試験を突破し、ニューヨークへ留学。NORC NYCなどの予防サービスが充実した施設やクリニックでの研修を通して、多面的・総合的にアプローチする予防医学を習得。NY大学やジョーンズ大学で生活習慣病や健康の社会的決定要因について研究する。MPH(米国公衆衛生学修士号)、パーソナルトレーナー、栄養士の各資格を取得。帰国後は中村康宏内科クリニックを京都で開業。その後日本初のアメリカ抗加齢学会登録施設となる「虎の門中村康宏クリニック」を東京で開業。

IMG_9818s.jpg

515n109MOpL._SX336_BO1,204,203,200_.jpg

編集:株式会社エアリーライム ライター:山田恵子

睡眠管理をして、健康習慣を身につけよう!

Easiitアプリは、Fitbitやヘルスケア(iOSアプリ)と連携することで、かんたんに睡眠時間を記録できます。
記録した睡眠時間などを含む習慣・行動は自動でスコアリングされ、ブレインパフォーマンスによい健康習慣を持続しているかが、かんたんに確認できます。
ダウンロードする

Easiitアプリについて詳しく知る

FEEDBACK

クリアな思考でアクティブな毎日を。
あなたの人生と脳に、ひらめきと知識を与えるWEBマガジンです。

利用規約に同意してEasiit Magを利用する

OK