【連載】忙しい人こそ、地中海式食事法を vol.1

第1回  今また地中海料理が注目される理由

健康効果ばかりでなく、日本人の口にあうおいしさも魅力的な地中海料理が今注目をされています。

トルコやモロッコをはじめ地中海沿岸の国々の家庭料理を現地で調査して学んだ、料理研究家の荻野恭子さんに、食材の栄養価についてや、帰宅してからパパっと作れる簡単レシピを教えていただきます。

地中海式の食事は抗酸化作用が高い食材ばかり!

地中海料理は、その名の通り地中海沿岸国、イタリア、スペイン、南フランス、トルコ、ギリシャ、モロッコ、チュニジアなどで食べられている料理です。これらの国の人々が健康で、長寿であることから注目され、日本でも糖質制限やダイエットに向いた食事として話題になりました。

地中海式食事法が健康によいとされる理由は、使われる食材にあります。オリーブオイル、にんにく、トマトをはじめとする野菜、豆、ナッツ、魚、スパイス、ハーブ、ヨーグルト、きのこなど抗酸化作用が高い、つまり身体の若々しさを保つ効果がある食材をふんだんに使っているのです。

地中海式食事法はシンプルで、忙しい人向き

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「地中海式食事法のベースは、オリーブオイルと塩」と荻野さん。どんな料理にもオリーブオイルを使い、味付けは塩のみというのが基本です。

オレイン酸が主成分のオリーブオイルは、ビタミンA、Eやポリフェノールが豊富で、抗酸化作用があります。
中でもエキストラバージンオイルに含まれる「オレオカンタール」というポリフェノール成分が注目されており、健康効果の研究が進められています。

「高価なオイルを買うよりも、小瓶を買って早く使い切るほうが重要です。オイルの賞味期限はあまり意識しないかもしれませんが、オイルは酸化すると風味も健康効果も落ちてしまいます。酸化しにくいとされるオリーブオイルでも早めに使い切りたいもの。私は、エクストラバージンを加熱にも生食にも使うのをおすすめしています」

塩は海塩か岩塩、未精製の自然塩を

地中海3.jpg オリーブオイルの大切な相棒である塩は、海塩か岩塩、未精製の自然塩がおすすめだそう。「塩は人体に不可欠な成分です。栄養の吸収を助ける働き、脳の指令を伝える働きなどがあります。ぜひミネラル分豊富な自然塩を使ってください。今は世界各地、日本各地のいろいろな自然塩が手に入ります。味わいもいろいろなので、食べ比べて好みの塩を探すのも楽しいですよ」

地中海式食事法のポイントまとめ

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  • オリーブオイルと、味付けの基本は適量の塩

オリーブオイルの抗酸化作用、自然塩のミネラルで若々しさを保つ。

  • トマト、にんにくをよく使う

トマトに含まれるリコピン、にんにくの硫化アリルは、さまざまな健康効果があり、合わせて使うと相乗効果がある。

  • 柑橘類、ハーブやスパイスを風味付けに使う

ビタミンや、「第7の栄養素」といわれるフィトケミカル(色、香り、辛味、苦味の成分)に抗酸化作用があり、減塩効果も期待できる。

  • 基本は、たっぷりの野菜+たんぱく質(魚か肉)

ビタミン、ミネラル豊富な野菜にたんぱく質をプラスすることで、バランスのよい料理になる。

  • 肉は鶏肉やラムをよく使い、魚は青魚をよく食べる

鶏肉やラムは低カロリーでヘルシー。青魚は脳の健康を保つDHAやEPAが豊富。

その他、きのこ類、豆、果物、ドライフルーツやナッツ、そして、ヨーグルト、チーズなどの発酵食品を上手に料理に取り入れているのも特徴です。

「地中海沿岸はワインの産地でもあるので、食事の時によく飲みます。赤ワインのポリフェノールは若さを保つ効果があるといわれています。なんにも料理したくない日は、チーズやナッツ、ドライフルーツをつまみながら赤ワイン、というのも地中海式ですよ(笑)」と荻野さん。

「すぐに食べられたり、料理に使える食材をストックしておいて、気軽に地中海式の食事を楽しんでください」

ストックしておくと便利なもの

にんにく、トマト缶、豆の水煮缶詰、魚の缶詰(いわし、さば、ツナなど)、オリーブの実の塩漬け、ピクルス、好みの乾燥パスタ、好みのチーズ、ミックスナッツ、ドライフルーツなど

レシピ01

フライパンひとつで絶品の一皿

鶏のハーブソテー 蒸し野菜添え

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地中海式に鶏肉と野菜をオリーブオイルと塩で一緒に焼く「たっぷりの野菜とタンパク質」の一皿です。ハーブの香りづけがポイント。鶏はモモ肉でもムネ肉でも、お好みのものを使ってください。野菜も冷蔵庫にあるものでOKです(火の通りやすいものがおすすめ。根菜類は一度電子レンジで加熱してください)。パンにもごはんにも、ワインのつまみにも。鶏肉は下味をつけた状態で冷凍しておくと便利です。

材料(2人分)

鶏ムネ肉 2枚

ハーブ(ローズマリー、バジル、イタリアンパセリ) 各大さじ1(あるものでOK。できれば生を粗みじん切りにする。ドライの場合は量は少なめで)

塩 小さじ1/2

なす 1個

ピーマン 1個

エリンギ 1本

塩、こしょう 各少々

オリーブオイル 小さじ1

<作り方>

1.鶏肉に塩、こしょう、ハーブをまぶして10分くらい置く。その間に、なす、ピーマン、エリンギを1.5㎝の輪切りにする。

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鶏肉に塩とハーブをまぶして少し置く。焼く時にハーブはざっと払う。

2.フライパンにオリーブオイルをひき、鶏肉は皮目を下にして入れ、付け合せの野菜も塩、こしょう少々を振って一緒に入れる。フタをして弱めの中火で鶏肉の両面をこんがり焼く。

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鶏肉と野菜を一緒に焼くので簡単。鶏肉の皮目がこんがり焼けたら裏返して。

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ワンポイント・アドバイス

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*余った鶏肉は、下味をつけた状態でラップフィルムに包み、保存袋に入れて冷凍保存。あとは解凍して焼くだけ。

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  • 余ったフレッシュハーブは、オリーブオイルに漬けておけば、ハーブオイルとして、下ごしらえやドレッシングに使える。ドライハーブは塩と混ぜて、ハーブソルトに。

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監修:荻野恭子(おぎの・きょうこ)

プロフィール:料理研究家、栄養士、フードコーディネーター。女子栄養短期大学卒業。和・洋・中・エスニックのエキスパートから料理技術を修得。海外の食文化研究のために、各国の食べ歩きと取材を始める。有名レストランへの訪問や一般家庭へのホームステイを通じて、あらゆる料理を取材し、執筆した書籍多数。現在は、教室主宰や講演会活動、メディア出演などに幅広く活動している。

https://www.cook-ogino.jp/

編集:株式会社エアリーライム ライター:菅野和子 カメラマン:井上孝明

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